暴力団融資みずほ批判に隠れる問題点〜オリコの責任、違法口座の蔓延、反社勢力の基準

Business Journal / 2013年10月29日 7時0分

 だが、問題ローンの申し込みを見つけられずに審査を通過させ、ローンを実行したオリコに責任はなかったと言えるのだろうか。

 さらに、自動車購入者が借り入れたローンのオリコへの返済が行われる銀行口座は、実はみずほ銀行にはほとんどない。ローン返済は銀行口座からの引き落としによって行われるため、みずほ銀行以外の金融機関に、反社会的勢力の口座が存在していることになる。

 銀行の規約では、反社会的勢力は口座が開設できないことになっているが、オリコから借り入れを行った反社会的勢力の返済口座は、現実には存在している。本来、存在してはならない口座が金融機関にあること自体は、まったく問題視されていない。事実、複数の地銀や信金では、この問題が発覚後に行われた自己調査により、反社会的勢力のオリコへのローン返済口座が確認されている。

 事態を重く見た金融庁は、あわてて金融機関に対して反社会的勢力との取引有無について一斉調査を行うよう要請している。しかし、反社会的勢力に対する情報力が不足していれば、当然反社会的勢力の口座を発見できない可能性は大きい。

 そもそもの「反社会的勢力の範疇とはどのようなものなのか」が定かでない以上、その基準は金融機関ごとに違っており、「厳しく規定している金融機関は処罰され、緩やかな金融機関は見逃される」という本末転倒の事態を招くことになる。

 みずほ銀行は今後、オリコと反社会的勢力についての情報を共有することで再発を防止するという。だが、みずほ銀行とオリコで反社会的勢力との取引が防げたとしても、これでは他の信販会社や金融機関にとっては効果がない。

「反社会的勢力」について金融当局が明確な基準を示し、その情報を金融機関、信販会社、クレジットカード会社、貸金業者などが共有しなければ、今回の問題はなくなることはないだろう。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

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