サービス業界、「顧客満足向上」に潜む3つの落とし穴〜店舗の効率・労働環境悪化の危険も

Business Journal / 2013年11月23日 1時0分

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(文=大國仁/ACWパートナーズ)

 2020年にオリンピックが東京で開催されることになった。その招致の決め手になったとも言われているのが、国際オリンピック委員会(IOC)総会におけるプレゼンで滝川クリステルさんが行った「お・も・て・な・し」のパフォーマンスだ。まだ先の話だが、日本の良さを海外に知ってもらう絶好の機会にしたいものである。日本人のきめ細やかな心遣いをもとに、日本のサービス業がもっと海外に展開すべきではないだろうか。

 一方、サービス業に関わる不安材料もある。例えば外食業界では、名ばかり店長の過労死の問題、アルバイト店員によるSNSへの非常識な投稿問題といった悪いニュースが目につく。本社や本部が、厳しく指導して監視するだけでは問題の解決にはならない。問題の根っこには、店舗内での店長や社員とアルバイト店員との関係、店舗と本部の関係が大きく影響しているからだ。チェーン全体が1つになるような抜本的な打ち手が必要なのである。

 今回は、サービス業が真の顧客満足を目指していくための第一歩として、顧客満足向上の取り組みについて、その落とし穴や、あるべき方向性を考える。

「顧客満足No.1」というフレーズを耳にすることがある。利用客への満足度調査の結果に基づき、サービス向上に取り組んでいる企業は多いが、実は、その取り組みには落とし穴が3つある。気をつけないと、顧客満足とは真逆の方向に進んでしまうこともある。

(1)落とし穴1:顧客満足調査の質問内容において、顧客の視点よりも企業の視点が強い

 飲食店のテーブルでよく見かけるアンケート票も、ちょっとした顧客満足調査だ。このアンケートの質問で違和感を覚えたことはないだろうか? よくある質問は、「店員の挨拶はいかがでしたか」「料理の提供時間はいかがでしたか」「料理の味はいかがでしたか」「料理の量はいかがでしたか」「店員の気配りはいかがでしたか」「店内の雰囲気はいかがでしたか」といったものだ。

 筆者が違和感を覚えるのは、「そんなことは、客の態度をよく見ていればわかる」と思えるからだ。では、なぜこのような質問になるのか。それは、これらの質問の主語を考えるとわかる。ほとんどの質問の主語は、店側なのである。顧客側を主語とした質問文は次のようなものだ。「ゆっくりお食事を楽しめましたか」「お昼休みにリフレッシュできましたか」「不快な思いをしませんでしたか」。このような質問をして、理由も併せて聞くことで、有効な情報が得られる。

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