深刻化する介護問題~負担増がサラリーマンを直撃、介護うつ、虐待の危険も

Business Journal / 2013年12月19日 14時0分

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 「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/12月14日号)の特集は『親と子の介護』、「週刊東洋経済」(東洋経済新報社/12月14日号)の特集は『介護ショック どうする!おカネと住まい』と、両誌とも特集のテーマは「介護」で揃った。

 ここにきて介護が特集のテーマになったのは、政府が介護保険法を改正し、社会保障と税制の抜本改革に着手したからだ。2015年4月から、一定以上の所得がある高齢者(年金収入280万円以上)を対象に、利用者負担を1割から2割に引き上げる方針となった。

 15年は、いわゆる「団塊の世代」(1947~1949年に生まれた人)が65歳以上となる年。高齢者人口が3000万人を超える時代を迎えるために、政府は対策を取り始めたわけだ。

 さらに25年には、これらの世代が大挙して75歳を迎える。後期高齢者(75歳以上)は介護が必要な要介護(要支援1~要介護5)の認定率が29%と、前期高齢者の4%から格段に跳ね上がる。12年における後期高齢者は1511万人。これが25年には2179万人にまで膨らむ。全人口に占める比率も18%と、5人に1人近くまで上昇する見通し。これが「2025年問題」といわれている。

●介護保険制度が抜本的に改正される

 このままでは「高齢者の介護を社会全体で支え合う」介護保険制度が破たんしてしまうのだ。そこで「効率化と重点化」を目的として要支援者への介護予防サービスを市区町村に移すなどの改革を行うのだ。この介護保険改正に迫っているのが「東洋経済」の特集第1章『介護保険改正で増える負担』だ。同記事によると「消費税率引き上げによる新規財源が投入されるのは、年金・医療・介護・少子化対策の社会保障4分野だ。このうち25年にかけ、給付費用が最も膨れ上がるのは、実は2.3倍増となる介護の分野である。保険料の負担も、今後は医療以上に介護費用の増加が目立ち、20年になると、75歳以上の負担する保険料は、医療より介護のほうが大きくなる見通しだ」という。

 負担は高所得のサラリーマンにも及ぶ。

「たとえば40~64歳が加入する会社員の介護保険。今は加入者数に応じて負担する仕組みになっているが、これを所得と連動した『総報酬制』にすることが目下検討されている。組合管掌健康保険(組合健保)に加盟する大企業のサラリーマンは、1カ月の介護保険料(労使含む)が現状の4463円から、総報酬割の導入で5058円に膨らむ。まずは余裕のある者から負担してもらおうという手順である」(同記事)

●高齢化が深刻になるのは都市部

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