ブラジル、W杯&五輪開催目前でも、なぜ経済厳しい?物価高、高い税金、低賃金でデモも

Business Journal / 2013年12月19日 18時0分

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 来年6月12日に開幕を控え、各国の対戦相手も決まり、いよいよカウントダウンが始まった感もある2014FIFAワールドカップ(W杯)ブラジル大会。そのW杯の前哨戦として、今年6月に行われたFIFAコンフェデレーションズカップ2013でブラジル代表は、決して高くはなかった下馬評を覆し、当時公式戦29試合無敗を誇っていたスペインに完勝して優勝した。64年ぶりの自国開催となる本大会での躍進に向け、明るい材料が多く揃っているといっていいだろう。

 ブラジルの経済的側面からW杯を見ると、同国は現在、成長の停滞が目立ち始めており、景気回復のための一大イベントとして、国民の期待は高まっている。だが、一方では今年に入ってから労働賃金の改善、公共料金、税金の値下げを要求する大掛かりなデモが国内各地で相次いでいる。

 そこで今回は、ブラジル国内の物価基準、賃金、税金水準などの観点から、ブラジル国民が直面している経済問題を紹介していく。

●予想外の低成長に苦しむブラジル経済

 近年、BRICSの1カ国として新興経済国との評価をされてきたブラジル。経済成長の原因の1つとして、3C(カラーテレビ・クーラー・自動車)を購入する中間層の増加が挙げられている。事実、サンパウロ、リオデジャネイロといった大都市の街中では、韓国や日本の大手家電、自動車メーカーの看板を頻繁に目にする。サンパウロ市内では交通渋滞が社会問題となっており、ニューヨーク・東京・バンコクといった都市と比較しても遜色ない交通量だ。

 ブラジルに移り住んで30年以上となる、ブラジル日本都道府県人会連合会の会長・園田昭憲さんは次のように話す。

「一世帯当たりの自動車保有率は増え、大都市では慢性的な交通渋滞が目立ちます。昔と比べて、家電製品を購入できる層も増えていると思います。しかし、実際に国民の生活が潤っているかというと、そうではありません。増え続ける税金、物価上昇は深刻で、貧富の差はより広がっているかもしれません」

 GDP成長率は2010年の7.5%をピークに、11年は2.7%、12年に至っては0.9%、13年の第1四半期の成長率はわずか0.6%にとどまり、バブル景気の経済成長に陰りが見え始めている。ブラジルスポーツ省によれば、W杯開催による直接的な経済効果は1.8兆円、波及効果は5.2兆円の計7兆円に及ぶと予想されているが、建築系の企業を除けば国民の生活に直接恩恵があるかどうかは疑問符が付くという意見も多い。

●マクドナルドとiPodに見るブラジルの物価水準

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