産業医は社員の敵か?企業向け社員のヘルスリスク管理サービスで過労死を防ぐ

Business Journal / 2014年1月1日 12時0分

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「過労死」は、働いている人なら誰にでも起こりうる。

 厚生労働省が毎年発表している「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」によれば、2012年の労災補償の請求件数は2100件、うち、自殺または死亡した件数は約450件で、労災認定された人の約25%が過労死していることになる。この数字は08年から5年間ほぼ変わらず横ばいだが、何も対策が取られていないわけではない。労働安全衛生法で、労働者の健康管理を行うための「産業医」の設置が企業に義務付けられている。しかし、この「産業医」を利用したことがある人はどのくらいいるだろうか? 利用したとしても適切なケアがされているのだろうか?

厚生労働省の資料「平成24年度『脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況』まとめ」より抜粋

●「産業医」は誰のための制度?

 今回訪れたのは、都内にオフィスを構える「iCARE」という企業。この会社は、現役医師とリクルート出身でMBAホルダーの方の2人が経営し、「総合内科医・心療内科医 × MBA × 人事」をウリにしており、13年10月に、「Catchball」という産業医向けの業務支援サービスをリリースしたばかり。企業が保管している電子化していない従業員の紙のカルテや、産業医のPCの中だけで管理されているカルテデータをクラウド化し、企業の人事部と連携できるようにしたサービスだ。「Catchball」があると、どのような効果が期待できるのか。同社代表取締役の山田洋太氏と飯盛崇氏に話を伺った。

山田洋太氏(以下、山田) そもそも「産業医」は誰のためにあるか知っていますか?

--社員のためであってほしいです。

山田 いいえ。違います。産業医は企業のためにあるのです。産業医は、社員のヘルスリスクを軽減するために企業が導入しているからです。

--でもそれならば、相談する我々のような従業員からしたら、人事部の内通者でしかないですよね。産業医に相談したら、ボーナスの額が減ったり、左遷されてしまったり……と嫌なことばかりが頭をよぎりますが?

山田 そうですね。世間一般の皆さんには、あまりよいイメージはないのかもしれません。でも産業医は、本当は「お買い得な医者」なはずなのです。企業側にしても、ヘルスリスクにさらされている社員を見つけるのに必死なのですから、正直に診察を受けてみれば、お互い幸せになれるのです。

●ビッグデータとクラウドで、ヘルスリスクに向き合う

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