危険な空き家、なぜ多数放置?国・自治体で対策の動き相次ぐ~解体費用補助、税軽減…

Business Journal / 2014年1月12日 1時0分

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 少子高齢化や核家族化などが進行したことに伴い、自宅を空き家のままにして高齢者施設に入居したり、または居住者が亡くなり相続人がそのまま放っておいたりするといった例が増加している。今後、1980年代後半のバブル期に駅から離れた郊外に戸建住宅を購入した人たちが定年を迎えるが、郊外は交通の便が不便なために、空き家にしたまま居を移す人がさらに増えていくことが予想される。

 5年に1回実施される総務省の「住宅・土地統計調査」(2008年)によると、全国の総住宅数5759万戸のうち空き家は757万戸。03年の調査に比べて約97万戸(14.8%)増加し、空き家率は13.1%に達しているのだ。

●空き家放置の背景

 では、空き家を放置したままだと、どのような状態になるのだろうか。東京都大田区にある不動産会社の社長は次のように指摘する。

「空き家を放置することは、危険といつも隣り合わせ。空き家への不法投棄でゴミのたまり場になり、周辺に悪臭を漂わせると、周辺住民は本当に迷惑。放火など犯罪の温床になる可能性もある。さらに地震が起きた時には空き家が倒壊し、避難経路を防いだり、周辺の住宅まで延焼してしまうことだって考えられる。そうなった場合は、所有者は損害賠償責任を求められることも十分にあり得る」

 危険であるとわかっているが、所有者の多くは空き家を放置したままだという。その背景には、所有者それぞれのさまざまな事情が存在する。

「空き家が増え続ける原因のひとつとして、空き家を解体し、更地にすると税制面の優遇措置が受けられなくなることが大きい。空き家を解体すると、固定資産税額が跳ね上がってしまう」(前出の不動産会社社長)

 つまり、たとえ空き家であったとしても税制上は「家屋」として扱われるので、その敷地は「住宅用地」となり、更地に比べて固定資産税が軽減されるのだ。例えば敷地面積が200平方メートル以下の住宅用地の課税標準額は、固定資産税評価額の6分の1、200平方メートルを超える部分は3分の1となるため、税金対策としては効果的ということになる。

 具体的なケースで見てみよう。更地の固定資産税評価額が5000万円の場合、その土地の1年間の固定資産税額は「5000万円×1.4%(固定資産税率)」で70万円となる。それが、空き家でも家屋として扱われれば、「70万円×1/6」で11.5万円となる。建物の固定資産税評価額は、老朽化した空き家では極めて「ゼロ」に近いと考えていいだろう。空き家があることで固定資産税額は11.5万円だけとなり、建物があるとないとでは大きな違いとなる。

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