日本の自動車、世界最大の中国市場で苦戦の理由~安倍政権の外交力のなさが国益を損なう

Business Journal / 2014年2月4日 1時0分

 こうしたことが積み重なって、日本の自動車産業は中国で競争力を失うリスクが高まっていくのだ。

 このような指摘をすれば、「車屋のために中国に媚を売れというのか」といったようなご批判をいただく。しかし、冷静に考えれば、自動車産業は日本の「得意芸」であり、国益を象徴するような産業である。例えばトヨタが赤字になれば豊田市は税収が90%以上も落ち込む。同様に自動車産業が集積する愛知県や九州、東北も財源不足となる。ひいては、自治体の乳幼児医療で負担を軽減する特典なども維持できなくなる。国民が経済的にもかつ精神的にも豊かに暮らせることこそが国益ではないか。しかし、その国益を声高に主張して、結果として反中を煽ることに加担している政治家や財界人が、中国との関係を悪化させ、真の国益を崩していると筆者は強く感じる。

 また、安全保障の問題を掲げ、中国リスクを指摘する声もあるが、安全保障の要は、敵を少なくすることではないか。そのための外交力である。今の安倍政権は、外交力のなさを棚上げにして、中国との関係を悪化させ、国益を崩している。

 有権者はもっと自分の目で確かめたり調べたりして、現実を直視し、データを収集した上で、中国との関係をどうすればよいのか判断すべきである。ニュースソースがどこにあるのかもわからないようなネット上の情報や記事を鵜呑みにしてはいけない。
(文=井上久男/ジャーナリスト)

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