全聾作曲家・佐村河内守の別人作曲騒動、問われる違法性、損害賠償請求の可能性も

Business Journal / 2014年2月6日 1時0分

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 2月5日、「全聾の作曲家」「現代のベートーベン」として知られる作曲家の佐村河内守氏の代理人弁護士が、「十数年前から本人ではなく、別の人物が作曲していた」ことを報道各社にファクスで明らかにし、衝撃が走っている。

 代理人によると、これまで佐村河内氏本人がすべて作曲したとしていたが、実際には佐村河内氏は曲のイメージや構成を提案し、別の人物が作曲していたという。この人物は作曲家として表に出づらい事情があったようだともしている。

 これを受け、18万枚のヒットを記録した『交響曲第1番 HIROSHIMA』などCD3枚、DVD1枚を販売していた日本コロムビアは5日、それらすべてを出荷停止すると発表。また、昨年3月31日に放送されたNHKスペシャル『魂の旋律~音を失った作曲家~』で佐村河内氏を特集したNHKは「放送当時、本人が作曲していないことに気づくことができませんでした」と釈明した。

 佐村河内氏は、被爆2世として広島に生まれ、35歳の時に聴力を完全に失い、それ以来「絶対音感」を頼りに作曲しているとしていた。また、ソチ五輪でフィギュアスケートの高橋大輔選手が演技で使用する「ヴァイオリンのためのソナチネ」も別人が作曲したものだという。

 5日になって突如代理人が今回の騒動を明らかにしたのは、本日(2月6日)発売の「週刊文春」(文藝春秋/2月13日号)がこの事実をスクープし、『全聾の作曲家はペテン師だった!』と題した記事を掲載することがわかったからだ。全8ページにも及ぶ文春の記事では、実際に作曲を手がけていた桐朋学園大学作曲専攻で講師を務める新垣隆氏が実名で告白。2人の特殊な関係性や佐村河内氏の“偽りの作曲過程”が詳細にレポートされている。必読の内容だ。

 文春の記事によれば、普段は街のピアノ教室の発表会の伴奏やレッスンの伴奏をするなどしていた新垣氏が、ようやく桐朋学園大学非常勤講師の職を手に入れた1996年、まだ聴覚障がいがなかった佐村河内氏から、氏が楽譜に強くないため、映画音楽用の短いテーマ曲をオーケストラ用の曲に仕上げてほしいと頼まれ、引き受けたのがきっかけだったという。この時、佐村河内氏の「ぼくの名前で発表したい」という申し入れを受託した新垣氏は、自らが作曲した音楽が多くの人に聞かれることが「純粋に嬉しかった」そうだ。だが、一方で「今から思えば浅はかだった」「どうせ売れるわけはない、という思いもありました」など、複雑な思いも吐露している。その後ゲーム『鬼武者』のテーマ曲が話題となった頃、突如、佐村河内氏から「全聾になった」と告げられたというが、最近の新垣氏との会話では手話などを使わずに「自宅で私と会うときは最初から普通の会話」だったという。

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