未上場の弊害、UCCの事例~内向き姿勢で評判下げる広報、ヒット作も生まれず

Business Journal / 2014年2月26日 18時0分

写真

 未上場企業の良さは、株主からの声に左右されず、腰を据えた経営を行えることだ。裏を返せば、内輪的で凝り固まった閉鎖的な経営もまかり通る。

 株式を公開していない。だから、買収に怯えることもない。上場企業と違い、未上場企業は有価証券報告書の作成義務もない。決算を公告する義務はあるが、会社法に罰則規定がないことから、実際には決算公告を行っている会社はごく一部だけだ。外部から見れば、財務・会計面でも、未上場企業は上場企業に比して不透明といえよう。外部株主がいる場合や、外部から監査役を招くなどの措置を講じていなければ、社内は閉鎖性を強めていく危険をはらんでいる。

 中小企業であれば、親族経営の会社は家族的な空気がつくり出せ、一体感が高まることもあるだろうが、企業規模が大きくなっても閉鎖性の強い社内風土では、そこで働く社員の外を見る目を塞ぐことになる。消費者や世間から自分たちがどう見られるかではなく、まず意識することは、上司の目や同僚の目になりがちだ。特に創業者一族の経営支配力が強い企業では、しばしば社員は創業者一族の意向を忖度して仕事に当たりがちだ。結果、波風立てず、何事もおざなりにやり過ごすようになる。また、そんな社員が重用され、「事なかれ主義」「セクショナリズム」が社内では蔓延する。いわゆる“大企業病”だ。

●新しい発想は無視される

 そんな大企業病に陥っているといわれているのが、コーヒー飲料メーカーとして名高いUCC上島珈琲だ。こうした声は同業他社のみならず、当の社内からも上がっている。UCCは老舗として知られるが、その歴史の割には、ヒット作はロングセラーの「UCCミルクコーヒー缶250g」くらいしかない。

 若手や中堅社員の中には、これまでのUCCの持つ伝統と歴史を打ち破った斬新な新規商品の開発や新規販売網の開拓を提案したり、保守的とされる社風を覆す広報・宣伝に力を入れようと提言する者もいるようだ。しかし、このような意見はことごとく無視されるという。

「UCCミルクコーヒー缶250g」は、UCCが最も輝いていた時代から続くヒット商品だ。創業者・上島忠雄が自ら手掛けた商品でもある。甘く濃厚な味は今なお多くのファンがいるが、健康志向が強まっている現代にあっては、時代遅れの商品といえなくもない。

 だが、今の時代に即した新商品を手掛けようにも、創業者自らが手掛けたロングセラーの存在があまりにも大きい。ロングセラーとして十分売り上げも出している。従って新規開発の際、UCCの特徴である濃厚な味に仕上げておけば無難だという発想に陥りやすい。

●外部に目が向かない広報

ビジネスジャーナル

トピックスRSS

ランキング