学習塾大手リソー教育、なぜ粉飾?高まる業界再編機運~厳しい環境で急成長路線があだに

Business Journal / 2014年3月6日 1時0分

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 個別受験指導塾・TOMAS(トーマス)などを展開する東証1部上場の学習塾大手・リソー教育は、粉飾決算の責任を取り、伊東誠社長(50)が引責辞任した。伊東氏は昨年9月、社長に就任したばかりだった。伊東氏のほか、教務担当の赤尾光治常務と子会社・名門会の大森喜良社長もそろって退任。創業者で会長の岩佐実次氏(64)が社長を兼務し、月額報酬4カ月分を自主返上する。

 リソー教育で粉飾決算疑惑が持ち上がったのは昨年末。同社は12月16日に会計処理の疑義を調査するため、元名古屋高等検察庁検事長の高野利雄氏など4人で構成される第三者委員会を設置した。第三者委は今年2月10日、本体を含めたグループ3社で2007年度から6年半の間に売り上げを計83億円水増ししていたとする調査結果を公表した。リソー教育はTOMASを首都圏で70校、講師を派遣して個別指導を行う名門会を全国で40校展開しているほか、小学校、幼稚園受験の伸芽会も運営する。

 第三者委の調査によると、TOMASでは生徒が欠席したにもかかわらず授業を受けたかのように見せかけ、講習料を返金せずに売り上げに計上。名門会でも無料で行うサービス授業を通常の有料授業としていた。売り上げ目標を達成するために、常務ら複数の幹部が不適切な会計処理を指示していたという。社員には厳しいノルマが課せられ、ノルマが未達だと降給・降格はもちろん、ペナルティ教育が課せられており、3カ月ごとの信賞必罰の人事異動も行われていた。

 第三者委の調査結果を受けてリソー教育は2月14日、08年2月期以降の有価証券報告書などの訂正報告書を提出した。13年2月期の連結決算の売上高を217億円から198億円に、純利益は15億円から2億円に、純資産は56億円から7億円に下方修正した。13年3~11月期連結決算は売上高が141億円、最終損益で15億円の赤字となった。14年2月期の連結業績予想は公表しなかった。

 第三者委は粉飾について「大規模で全社的に不適切な会計処理を行った」と批判。岩佐会長の売り上げ重視の経営方針が事件の底流にあったことや、過去に監査法人から会計処理の不適正ぶりを指摘され、会長が再発防止を約束したにもかかわらず実行されなかった事実を指摘した。

 証券取引等監視委員会は、金融商品取引法違反(有価証券報告書等の虚偽記載)で同社に課徴金を科すよう金融庁に勧告する。今後、上場廃止問題や、オーナーである岩佐会長の進退問題に発展するのは避けられそうもない。

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