話題の「紫の花粉症薬」CM、なぜ色のみ強調?新しい購買構造に対応、優れたマーケ戦略

Business Journal / 2014年3月27日 14時0分

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 いよいよ春がやってきました。そして花粉も大挙して訪れてきました。

 いまや、予備軍まで含めると日本人の2人に1人以上が罹患しているといわれている花粉症。今回は、そんな花粉対策のアレルギー性鼻炎薬についてのテレビCMを取り上げます。

 さて、「花粉症の薬のCM」と言われたら何を思い出しますか?

「あの紫色が目に残る、とにかく派手な紫の箱……でも商品名が出てこない」

 はい。企業としては、これで十分なのです。

 一般的に、広告目的で最も大事にしている「商品名」すら覚えられていないCMなのに、なぜ十分なのでしょうか?

●CMメッセージは「紫」という色

 宇宙から地球にやってきたアレグラ人に扮する人気アイドルグループ・嵐の大野智。久光製薬の「アレグラFX」のCMは、昨年から始まりました。そして今年からは、アレグラ人3人組に加えて、あき竹城も母親役として登場、やはりド派手な紫の衣装で商品のインパクトに拍車をかけています。

 CMでは一般的に、KDDI(au)ならばオレンジ、ソフトバンクモバイルならば白、というようにコーポレートカラーをなんとなくちりばめ、視聴者がブランドイメージと結びつけやすくしています。

 しかしこのCMは、商品名称は出しているものの、薬の優位性である「眠くならない」というユニーク・セリング・ポイント(USP)すら言わず、強い「色の押し出し」に徹しています。それには深い訳があるのです。

●2年前から大幅に変わったCM内容

 では、現在のシリーズの前にオンエアされていた、「アレグラFX」の前身といえる薬「アレグラ」のCMは、いったいどんなものでしょうか?

 2011~12年に、ギャグアニメ『ハクション大魔王』(タツノコプロ)を使った「早めに、お医者さんに相談を」というCMが製薬会社のサノフィから出されていました。

「アレグラ」は、一般の薬店で売っていない医科向けのトップブランドの薬でしたが、DTC(Direct To Consumer)という医薬マーケティングの方法によって売り上げを伸ばしていました。

 DTCとは、病気に関する治療法や医療用の薬についての情報を、患者となる一般消費者に認知させることで医師の処方を促し、薬の売り上げにつなげるという手法です。

 例えば、骨粗しょう症、ED(勃起不全)、加齢黄斑変性、禁煙対策、爪水虫、AGA(男性型脱毛)や、ジェネリック医薬品などに関するCMがこれに当たります。

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