過去の漫画、なぜ国内外で復刻相次ぐ?クールジャパンの世界進出に求められることは

Business Journal / 2014年4月24日 18時0分

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 経済産業省は、「クールジャパン」(アニメやゲーム、ファッションなどの日本文化)の世界市場を拡大し、2020年の海外売上高を最大17兆円と、2010年の約4倍に増やす目標を掲げ、300億円を投資してクールジャパン機構を設立するなど、政府主導でプロジェクトを推進している。

 今回は、『磯野家の謎』(東京サザエさん学会/彩図社)、『バトル・ロワイアル』(高見広春/太田出版)などを手がけた編集者・赤田祐一氏と、スマートフォン向けコンテンツを提供するソニー・デジタルエンタテインメント社長・福田淳氏の2人に、クールジャパンの中でも特に現代アートや漫画の文化について、語ってもらった。

福田淳氏(以下、福田) アメリカやヨーロッパから東京に来たアートコレクターが、日本の現代アート、例えば現代美術家・村上隆氏の作品などが一堂に見られる美術館がないことに驚いていました。「有名な画家の作品を自国内でじっくり鑑賞する設備がないなんて、世界的にも日本ぐらいだ」と言われました。しかし、ヨーロッパのアートコレクターが村上氏の作品をほとんど買い占めてしまっていることが一因のように感じます。

赤田祐一氏(以下、赤田) 横尾忠則氏の美術館も、開館したのは12年11月と、かなり最近ですね。

福田 そういうことも日本の一つの特徴かなとも思うのですが、自国の文化であるアート作品さえ保持できてないのはどうしてなのでしょうか?

赤田 村上氏の場合は、中野ブロードウェイに本人がプロデュースしたカフェがあり、そこでギャラリーを併設して、イベントなども開催しています。そういうスタイルで十分なのかもしれません。

福田 オリジナルではなく、リプリント【編註:複写、複製】が日本人には向いているのかもしれません。10年に国立国際美術館でルノワール展が開催され、その最終日は入館するために2時間待ちとなっていました。しかも、売店でポスターが飛ぶように売れていました。大判ポスターに安いフレームが付いているだけで3万円もする高額なポスターにもかかわらず、それが3万セット売れたらしいです。それだけで9億円もの売り上げです。

●再評価される谷岡ヤスジ

赤田 それはすごい。ルノワールと日本の現代アートを比べるわけではないですが、編集者・SF研究家の故大伴昌司氏の『怪獣ウルトラ図鑑』(秋田書店)もすごいと思います。私は、今でもシビレます。しかも、大伴さんの作品はわかりやすいです。デザイナーや写真家がネタ元としているといわれるナショナルジオグラフィック協会の公式雑誌「NATIONAL GEOGRAPHIC」に掲載されていた図解よりも、『怪獣ウルトラ図鑑』のほうがずっとよくできています。子どもにも理解できるわかりやすさで描いてあるのは、本当にすごいことだと思います。

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