なぜ半導体不足で世界中の自動車メーカーが軒並み減産に?解消に1~2年かかる可能性

Business Journal / 2021年1月17日 6時5分

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コロナの次は半導体不足

 2020年に世界中に感染が拡大した新型コロナウイルス(以下、コロナ)は、自動車産業の業績を直撃した。自動車の需要が“蒸発”し、各国で自動車メーカーの工場停止が相次いだ。2020年後半から、やっと需要が戻り、自動車生産が回復し始めたと思ったら、今年2021年になって、車載半導体が不足し、またもや自動車メーカーは減産を余儀なくされることになった。

 まず、ホンダが1月7日、車両制御用半導体が不足しているため、小型車「フィット」を中心に、1月に4000台程度を減産する方針であることが、わかった(1月8日付日本経済新聞)。続いて、日産自動車が1月8日、半導体が組み込まれた電装品の調達に問題が生じたため、小型車「ノート」の生産を5000台規模で減らすことが、明らかになった(1月9日付日経新聞)。

 同日付日経新聞には、トヨタ自動車が1月8日、半導体の調達不足のために、米国で生産するピックアップトラック「タンドラ」を減産するという記事が掲載されていた。トヨタは例年なら、この時期に翌年度の生産計画を部品会社に説明するとのことだが、今年は「暫定値」しか示すことができない異例の事態になった模様である。

 そして、同記事には、ホンダ、日産、トヨタなど日本メーカーだけでなく、米フォード・モーター、米ゼネラル・モーターズ、米フィアット・クライスラー・オートモービルズ、独フォルクスワーゲンなど、欧米の自動車メーカーも、車載半導体不足により減産や生産調整を行うことが報じられている。

なぜ車載半導体が不足するのか? 

 前掲記事には、車載半導体が不足する原因について、次のような記載がある。「電気自動車(EV)や自動運転車の普及で、車載半導体の重要度が高まっている」「EV1台当たりの半導体使用量はガソリン車に比べて2倍多い」「コロナの巣ごもり需要でPCやスマホ用半導体需要が拡大している」「これらの半導体の受託生産を行っている台湾TSMCへの先端品の注文が半年先まで埋まっている」。そのために、「車載半導体の供給が正常に戻るまでには半年近くかかる可能性がある」としている。

 しかし、これだけで車載半導体が世界的に不足していることに納得できる人は少ないのではないか。そこで、本稿では、車載半導体が不足している理由について、もう少しわかりやすい説明を行いたい。そのために、まず車載半導体の特殊性について解説する。その際、2011年3月11日に発生した東日本大震災で、茨城県にある車載半導体専用のルネサスエレクトロニクス那珂工場が被災した事例をケーススタデイとして取り上げる。その上で、現在の車載半導体が供給不足になっている真の原因を明らかにする。そして、その供給不足が解消されるには、半年以上、もしかしたら1~2年かかるかもしれないという予測を述べる。

車載半導体の特殊性

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