富士急ハイランド、存続の危機…富士急行、山梨県有地「格安賃料」で賃借のタブー

Business Journal / 2021年1月22日 6時0分

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 富士急行を経営する堀内家と長崎幸太郎・山梨県知事の対立が再燃した。山梨県が富士急行に貸している県有地の賃料が不当に安いとして争われていた住民訴訟の口頭弁論が2020年11月10日、甲府地裁で開かれ、被告の県が一転して原告に同調し、「賃料は現在の6倍の年間20億円が適正」との鑑定結果を提出した。

 問題の県有地は山中湖村にあり、県が1927年から富士急行に貸し出している。同社は別荘地やゴルフ場として開発し、一般顧客に転貸してきた。その開発規模は約3300区画にのぼり、富士急のホームページ上では「お求めやすい価格で購入可能」などと宣伝されている。

 県は2017年に東京ドーム94個分の約440ヘクタールの土地を20年間貸し出す契約を締結。賃料は3年ごとに更新し、同年は年額約3億2530万円。南アルプス市の男性が「県が歴代知事に適正な賃料との差額を支払わせるよう」求めて提訴した。県は当初、争う姿勢だったが、20年8月、方針を転換した。

 口頭弁論では県側は「賃料は年額約20億円が適正」とする鑑定結果とともに、「適正な対価のない賃貸借契約は違法無効」との準備書面を提出した。男性の弁護士は閉廷後、「双方の主張が合致した」と評価。原告の主張に被告が同調するという異例の展開となった。県は和解を申し入れる方針だ。

 収まらないのが、訴訟当事者ではないが補助参加人として参加している富士急行だ。「これまで法令にのっとり賃貸契約を交わしている。もし一方的に契約をないがしろにするなら長崎幸太郎知事を提訴することもやむをえないと考える」とのコメントを発表した。

長崎氏と堀内家の15年戦争

 河野太郎行革相の「ハンコ廃止」に噛みつき、“ハンコ知事”として全国的に名を馳せた長崎知事と、富士急の堀内光一郎社長、その妻の堀内詔子(のりこ)衆院議員の対立は15年戦争と呼ばれている。

 堀内家は4代続けて国会議員を出している山梨県の名門一家。光一郎社長の父で2016年に亡くなった堀内光雄氏は自民党総務会長や通産相を歴任した県政界の大物。富士急の会長を務めた。

 一方、長崎氏は東大法学部卒で財務省出身。05年に退官後、光雄氏と同じ山梨2区から自民党公認で、郵政解散による衆院選に同年初出馬した。小泉純一郎首相が提出した郵政法案に反対票を投じたため、光雄氏は無所属で出馬せざるを得なかった。間隙を突いて長崎氏が刺客として送り込まれた。小泉旋風が吹き荒れるなか、長崎氏は選挙区では惜敗したものの比例で復活当選を果たした。

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