竹中直人演じるガンコ親父・徳川斉昭…ギリギリで水戸藩主になれた男の大喧嘩と不遇の最期

Business Journal / 2021年2月28日 5時30分

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大河ドラマ恒例のガンコ親父・水戸藩主徳川斉昭は15代将軍・徳川慶喜の実父

 NHK大河ドラマで幕末が描かれると、必ず出てくるガンコ親父。それが徳川斉昭(なりあき/『青天を衝け』では竹中直人)だ。斉昭は御三家のひとつ・水戸藩の藩主であり、15代将軍・徳川慶喜(演:草なぎ剛)の実父である。

 大河ドラマで斉昭は、幕閣とのかかわりで登場する。水戸徳川家という超名門でありながらKY(空気読めない)の権化で、自己主張が強く、ガンコでわがまま。みんなが手を焼く嫌われ者。まぁ、確かに幕府首脳から見ると、そんな人物だったに違いない。特に大奥からはひどく嫌われており、そのせいで慶喜の将軍就任に反対する者もあったという。

 ただし、江戸庶民からは絶大な人気があり、諸大名から一目置かれ、傾倒する者も少なくなかった。

徳川斉昭、藩家老と幕閣を巻き込んだ激論のすえ、“ギリギリ”で9代水戸藩主に就任

 徳川斉昭は、水戸7代藩主・徳川治紀(はるとし)の3男として生まれた。

 治紀には5人の男子がおり、長男の徳川斉脩(なりのぶ)は8代藩主、次男と4男は支藩の養子に出され、5男は早世。斉昭はひとり、部屋住みとして水戸藩内にとどめ置かれていた。長男の斉脩が病弱だったので、早死にした時のスペア要員として期待されての措置だったらしい。

 ところが斉脩に男子がいないので、水戸藩家老が幕府首脳と結託し、11代将軍・徳川家斉の21男の徳川恒之丞(のちの紀伊徳川斉彊[なりかつ])を養子に迎えて藩主にしようというプランが浮上する。

 11代将軍・徳川家斉には55人の子――といっても半分くらいは早世してしまったのだが――がおり、幕府首脳はかれらを名のある大名家の養子に押し込めるのに汲々としていた。一方、水戸藩は多額の借財に苦しめられていたが、家斉の8女・峰姫を斉脩の正室に迎えたことで、幕府からの助成金が倍額(毎年1万両)に増える一方、幕府から借り入れていた9万2000両の借財がチャラになった。これに味を占めた水戸藩家老の一派が、幕府から多くの助成金を引き出そうと、養子縁組みを画策したのだ。

 しかし、当然、一部の藩士が、弟・斉昭がいるのに、遠縁の将軍家から養子を迎えるのは筋違いだと猛反発。日常政務に支障を来すほど、両派の対立が激化したという。文政12(1829)年に斉脩が死去すると、両派の対立はピークに達し、一触即発の危機が――と思われたのだが、斉脩が斉昭を次期藩主とする遺言を残していたため、あっけなく斉昭が藩主に選ばれた。

徳川斉昭、水戸藩主となった途端、藩政改革を着手、さらに“建白狂い”で幕政に口を出しまくる

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