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日本の消された領土問題・北方領土、返還は絶望的…ロシア、交渉の意思すらなし

Business Journal / 2021年3月5日 5時55分

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 もう北方領土交渉というものは消えたのか――。

 新聞報道などによれば、ロシアのプーチン大統領は2月14日に公開された露メディア幹部とのインタビューで「日本との関係は発展させたいが、ロシア憲法に反することは行わない」と述べたという。昨年7月にロシアは改正憲法に「領土の割譲禁止」を盛り込んだ。同大統領が憲法を盾に日ロ関係の考えを示したのは初めてだが、事実上、日本への北方領土引き渡しを拒否したと見られ、領土交渉の実現はもはや絶望的なレベルになってしまった。

 改正憲法は「領土の割譲に向けた行為やその呼びかけは認められない」とする一方で、国境の策定は除外するとの項目もあるため、日本では「領土交渉はできる」との楽観論もある。しかし、国境画定とは歴史的に国境が決まっていない地域の境界線を策定すること。ロシアは北方4島について「第二次大戦後に正当にロシアの領土になった」としており、改正憲法が例外とする範疇に入らない。

 日ロ交渉について聞かれたプーチン大統領は「ラブロフ外相に聞いてほしい。どこで国境画定作業が行われているか説明してくれるだろう」と言っただけで、およそ領土交渉をするつもりはなさそうだ。最近の日ロ交渉で同外相が言っていた「領土問題は話し合っていない」という言葉は既成事実化してしまった。メドベージェフ前首相は2月1日のインタビューで「我々には領土の主権を引き渡す交渉をする権限がない」とも発言している。

 とはいえ、これらの発言はある程度は「国内向け」だろう。一時期、人気が凋落していたプーチン大統領は2014年のクリミア併合で人気がV字回復した。反プーチンの動きが強まる今、「領土を絶対に他国へ渡さない」という姿勢が再び切り札になっているようだ。

 一方で、対日強硬派とされるラブロフ外相は「1956年の日ソ共同宣言は有効」と明言している。平和条約締結後に色丹島と歯舞群島を日本に引き渡すことを明記した宣言だ。プーチン大統領としては、領土交渉の可能性を完全に否定してしまえば、日本から4島への投資拡大などが期待できなくなる。領土問題を棚上げにしたままで、経済関係だけで日本から利益を得たい。こうした戦略の下地をつくってしまったのが、外務省をソデにして経産省主導で4島での経済交流ばかりを前面に出してしまった安倍外交である。

菅政権、具体的な対応は「なし」

 プーチン発言について加藤勝信官房長官は15日の記者会見で、「引き続き粘り強く取り組みたい」としただけで具体的な対応は何も明かさない。明かさないというより、「ない」のだろう。北方領土交渉を菅政権になってどう進めるのかは、さっぱりわからない。

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