なぜソニーは、どん底から9年で完全復活できた?「利益1兆円・時価総額10兆円」達成
Business Journal / 2021年3月5日 6時0分

ソニーが完全復活を印象付けた。東京株式市場の時価総額ランキングでソニーは約14兆円で第3位。トヨタ自動車(約26兆円)、ソフトバンクグループ(約21兆円)の後を追う(2月25日現在)。時価総額が10兆円に回復したのは1年前の2020年1月10日のこと。IT(情報技術)相場に乗って株価が上昇した2000年以来の快挙だった。
ソニーの時価総額の推移を見ておこう。2000年に14兆円までアップしたが、テレビなどエレクトロニクス(エレキ)の不振で12年には一時、7000億円台まで下落した。
その後、ゲームや音楽事業などエンタメ部門を中心に経営を立て直した。21年3月期の純利益は1兆円超を確保する見通し。19年3月期の9162億円を上回り過去最高となる。21年3月期の第3四半期(累計)の決算発表翌日(2月4日)の株価の終値は1万1650円。前日比1015円高と暴騰した。時価総額も14兆6913億円と21年ぶりに過去最高を更新した。
新型ゲーム機PS5が好調21年3月期連結決算(米国会計基準) の純利益は過去最高の1兆850億円(前期比86.4%増)となる見通し。従来予想は8000億円だった。売上高は従来予想から3000億円増の8兆8000億円(前期比6.5%増)、営業利益は2400億円増の9400億円(同11.2%増)を見込む。
主力のゲーム事業(ゲーム&ネットワークサービス分野)が快走する。売上高が従来予想から300億円増の2兆6300億円、営業利益は400億円増の3400億円を予想している。20年11月、7年ぶりとなる新型ゲーム機プレイステーション5(PS5)を発売したのが追い風となった。
「PS5の初年度(21年3月末までの)販売台数はPS4の初年度実績である760万台以上を目指す」。十時裕樹副社長兼CFO(最高財務責任者)は20年10月の決算説明会で、こう述べた。21年2月にはPS5について「350万台を突破したが、世界的に半導体不足もあり、需要に対しこたえられていない」とし、改善に努めたい、とした。
「初年度760万台以上という数字は、最低限のライン。どれだけ上積みできるかが勝負となる」(ゲーム業界に詳しいアナリスト)
証券各社の初年度の販売台数予想は760万~1100万台とバラツキがあり、平均で900万台といったところだ。半導体不足が、どう影響するかは見通せない。
巣ごもり消費によるソフトウエアの販売増や、ネット対戦などができる定額サービス「PSプラス」(月額850円など)の会員増などが寄与し、ゲーム部門の収益を押し上げた。リカーリング(継続課金)と呼ばれる方式をとり、事業の収益安定化につながるPSプラスの会員は20年末で4740万人に達した。この1年で900万人弱増えたことになる。PS5の購入者の87%がPSプラスに加入しているという。ゲーム事業は今や営業利益全体の36%を稼ぐ大黒柱となった。
「鬼滅の刃」のヒットも寄与-
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