ふるさと納税、巨額化で「寄付」の主旨外れ…住民の生活を大きく左右するレベルに

Business Journal / 2016年6月24日 6時0分

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 総務省が2015年度の「ふるさと納税」の状況を公表した。それによると、4月30日現在の全国の地方団体1788団体(都道府県47団体、市区町村1741団体)でのふるさと納税の実績は、件数で726万件、金額で1653億円となり、件数では前年度の約3.8倍、金額では約4.3倍と人気の高さを示した。

 ふるさと納税は08年度には81.4億円・約5.4万件だったが、その後、各メディアが返礼品などの特集を組んだことなどから、徐々に人気を集めた。特に13年度から人気に火が付き、13年度は145.6億円・42.7万件に増加、14年度には388.5億円・191.3万件と倍増した。そして15年度には納税額が1500億円を突破するほど爆発的な人気となった。

 では、人気の都道府県別と地方団体別に見てみよう。

 都道府県別では、北海道の人気が断然トップ。15年度に100億円以上の税金を集めたのは、北海道、山形県、宮崎県、長野県の4件のみで、この4道県は14年度もベスト5入りしている。1位の北海道は150億円を超える税金を集めている。一方、地方団体のベスト10(納税額順)は以下の通り。意外にも、都道府県でトップの北海道からは地方団体でのベスト10入りがない。

 さて、地方団体で納税額1位の宮崎県都城市は42億円超の税金を集めている。同市の予算規模は約800億円なので、ふるさと納税だけで予算規模の約5%を集めたことになる。鹿児島県大崎町に至っては、予算規模が約80億円なので、ふるさと納税で集めた税金の比率は33%を超える。驚くべきは、佐賀県上峰町。15年度の予算額は約37億円だったが、ふるさと納税が約21億円も入ったので、16年度予算は約81億円になった。ちなみに14年度に計上されたふるさと納税額は約40万円だった。

 こうなると、もはや「ふるさと納税」は寄付金ではなく、産業政策に等しい。ふるさと納税によって得られる税額で、翌年度の予算が大きく変わり、地域住民に対する行政サービスのありようまで変わってきてしまうのだ。

※都道府県名、14年度の納税受入額(単位:百万円)と受入件数、15年度の同

・北海道、4,338 248,679、15,036 880,689
・山形県、2,872 208,818、13,908 735,418
・宮崎県、2,304 138,263、10,328 618,262
・長野県、2,090 102,895、10,456 318,889

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