夫婦2人で月19万円の年金、半分以下に削減か…受給開始年齢も75歳へ引き上げも

Business Journal / 2016年8月15日 6時0分

 ところで問題は、社会保障体制が崩れ始める10年後だけではありません。現在20~30代の人たちが65歳以上あるいは75歳以上の後期高齢者になる44年後の60年には、全人口に占める高齢者比率が4割を超えてしまいます(全人口は9000万人弱)。すなわち日本は、社会保障体制が崩れ始める10年後以降、高齢者が人口の半分近くまでに増えていき、ますます厳しい事態を迎えるわけです。

 日本人の平均寿命は男性80歳、女性87歳ですが、健康寿命は男性71歳、女性74歳です。つまり、男性80歳、女性87歳時点で半数が死亡し、男性71歳、女性74歳時点で半数が介護を必要とする状態になる可能性が高いということです。

 民間の有料老人ホーム施設に入るとなると、リーズナブルな施設の平均でも毎月1人分で25万円程度かかります。年金を1人で25万円分も受給できる人は今でも少ないですが、今後はもっと少なくなっていき、こうした民間の有料老人ホームですらビジネスモデルが成り立たなくなる可能性もあります。

 そうなると、6畳一間に布団を敷き詰めた部屋に高齢者を5人も6人も詰め込む「無届介護施設」が、月4~5万円からありますが、日本の老人のほとんどが、こういう劣悪な施設で哀しい余生を送ることにもなりかねません。今の20~30代の人はあと40年そこそこで、こういう施設で人生の終焉を迎えねばならなくなる可能性が高いわけです。こうした事態を避けるためにも、拙著『老後に5000万円が残るお金の話』(ワニブックス刊)では、現役時代からできるサバイバルの要諦を説き、自助努力を推奨しています。

●現役若者世代こそが政治に物申すべき

 ところが現状では、世間の人々は平穏な世の中がこれからも続いていくかのように錯覚しています。
オリンピックなどやって浮かれている場合ではないのです。7000億円の東京オリンピック予算が2~3兆円に膨らみそうな一方、社会保障体制が崩壊して国民の命が危険に晒される可能性があるのです。

 若者世代は、せめて次のようなことだけでも、声高に政治に訴えるべきではないでしょうか。

・3~4割も労賃をピンハネする労働者派遣業の全面禁止
 全労働者に占める非正規雇用労働者4割のうちの6%に相当。全労働者に占める割合は2.4%
 
・2人目の子供が生まれた世帯には一括1000万円のボーナス支給
 毎年2人目の100万人分支給で毎年10兆円・消費税4~5%分に相当

・内部留保を一定額以上貯め込んだ大企業には、定員割り当てで保育所施設の設置を義務付ける
 16年3月末で366兆円とGDPの8割弱、うち現預金だけで181兆円に上る

・個人・団体とも政治献金を禁止するか、政党助成金制度廃止
 大企業による政治支配を根絶し、国民がもつ1票の権利に基づく国民主権を確立する

・年間80日程度しか議会活動(しかも所要は1時間以内が大半)がない全国の地方議員を、諸外国同様に夜間議会のボランティア制にして、現行の年間報酬総額3600億円(県会議員は平均2000万円、市は800万円、町村は平均450万円で総数3万5000人)をカットし、低所得世帯の就学援助金に回す

 少子高齢化・人口減少が加速するままでは、確実に今よりひどい老後地獄が襲ってきます。将来「ゆでガエル」にならないために、若者世代こそが大きな声を上げるべきです。
(文=神樹兵輔/マネーコンサルタント)

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