『奥様は、取り扱い注意』、イジメへの無配慮な発言に疑問…セリフの矛盾でドラマ台無し

Business Journal / 2017年10月19日 20時0分

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 連続テレビドラマ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)が10月18日に第3話の放送を迎え、平均視聴率12.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と、初回の11.4%を上回って自己最高を更新。物語が盛り上がってきた証拠だが、それゆえに、主人公の「セリフ」に時々違和感があるのが残念でならない。

 主人公は、“特殊工作員”としての過去を隠して“セレブな専業主婦”になった伊佐山菜美(綾瀬はるか)。夫の勇輝(西島秀俊)や主婦仲間の大原優里(広末涼子)、佐藤京子(本田翼)らに囲まれた平穏な暮らしを手に入れた菜美だったが、町内には「主婦たちが抱えるさまざまなトラブル」が潜んでおり、正義感の強い彼女が解決のために奔走する、というストーリー。

 第3話で菜美の前に現れた主婦・清水理沙(小野ゆり子)は、子どもが通う幼稚園のボスママ・相良貴子(青木さやか)からイジメを受けていた。理沙は偶然、菜美がカツアゲしていた学生を成敗している現場に居合わせたのをきっかけに、貴子に立ち向かう“強さ”を手に入れるために「ケンカのやり方」を教わりたいと申し出る。一度は保留にした菜美だったが、後日、理沙に「絶対にケンカはしない」と約束させた上でケンカのやり方を教える……という展開が繰り広げられた。

“イジメ”がテーマとあって重い話を想像していたが、徐々に前向きになっていく理沙の姿や、そんな理沙を見て貴子の取り巻きをやめる主婦たちが続出する流れは気持ちが良かった。また、実は貴子にも家庭での悩みがあり、最後は菜美とのやり取りで改心した上で、理沙に謝罪して“親友同士”になるといった展開にもほっこりした。もちろん、後で謝れば何をしてもいいワケではないけれど、このドラマに関しては、理沙も納得する結果に終わったので問題ないだろう。

 一方で、気になったのは菜美が理沙に「絶対にケンカはしない」と約束させた理由だ。菜美が続けて放ったセリフは「暴力では何も解決しないから」というものだったが、同ドラマは毎回、最後は菜美の力技で解決する。そこには絶対的な正義があるとはいえ、暴力で解決していることには変わりないし、むしろ菜美のアクションが見どころになっているはずだ。セリフの意味はわからなくないものの、菜美に言わせるのは矛盾していると思う。

 それよりもガッカリしたのは、最初に理沙から「(貴子に)無視されるようになって、ほかのお母さんたちも同調し始めた」「連絡網も回ってこない」「ゴミの出し方によくクレームが付くようになった」「近所の公園にも行けなくなった」などとイジメの内容を聞かされた菜美が、「どれも大したことないように思える」と返した場面。これに対し、理沙は「イジメの辛さは受けてみないとわからない」と反論していたが、菜美は家で勇輝に話した時にも「イジメっていっても、些細な嫌がらせ程度のことなんだけど」と説明していた。

 理沙の立場で考えたら、菜美の発言はどれも「イジメを相談した相手から言われたくない言葉」ではないだろうか。人の痛みは本人にしかわからないものだけれど、さすがに周囲が「大したことない」とか「些細な嫌がらせ程度のこと」だなんて言うのは無神経すぎる。菜美は特殊な生い立ちなので、その辺に鈍感なのかもしれないが、ドラマの主人公からは聞きたくないセリフだった。せっかく世間の評判が良い作品なだけに、セリフ選びにも配慮があればいいのに、と願ってしまう。
(文=美神サチコ/コラムニスト)

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