イオン、全国の店舗のレジにATM機能…銀行の店舗に行く必要消失
Business Journal / 2017年12月27日 19時0分

総合スーパーを中心に金融や不動産事業を展開するイオンは来春から、スーパーのレジで銀行預金を引き出すサービスを提供する予定だという。預金の引き出しサービスは「キャッシュアウト・サービス」と呼ばれる。そうしたサービスの提供はこれまで前例がなく、国内で初めての取り組みである。重要なポイントは、そうした新しいサービスがさらにネットワーク技術と融合することも考えられるという点だ。そうなると、お金に関する取引の形態が大きく変わる可能性が高まる。それこそ、銀行の店舗が必要なくなってしまうかもしれない。凄まじいスピードと規模感を伴って、銀行業以外の企業が金融サービスを展開することになりそうだ。
●ありそうでなかった「キャッシュアウト」
キャッシュアウトとは、銀行窓口やATM以外の場所、機器によって銀行預金を引き出すサービスだ。引き出す際には、銀行のデビットカードが使われる。キャッシュアウトのサービスを利用することで、銀行に行かなくとも、小売店舗のレジなどで必要なお金を引き出すことができるのである。なお、デビットカードは、クレジットカードとは異なる。支払いのつど銀行の預金残高は減る(後払いではない)。また、利用可能な額は、預金残高の範囲内、あるいは定められた利用限度額に基づいている。
わが国では、預金を引き出して現金を手元に置くためには、銀行の支店やATMに行かなければならない。海外と異なり、わが国ではクレジットカードを使うよりも現金を使う人が多い。これを現金志向が強いという。必要な時にその場でお金を手にできないことにストレスを感じる方は少なくないだろう。キャッシュアウトのサービスがあれば、便利だ。しかし、これまでは規制によってそのサービスを提供することができなかった。
イオンの取り組みを皮切りに、キャッシュアウトへの需要は高まる可能性がある。特に、地方では銀行の支店が減少している。大手銀行は需要の低迷を受けて融資が増えないことなどを理由に、支店網の統合や業務面でのリストラを進めている。今後も、地方を中心に銀行の支店数は減少するだろう。
高齢になると、電車やバスに乗り、市街地まで出かけてお金を引き出すことが困難になることが多い。無人店舗での預金の引き出しなど、IT技術を活用した金融サービスになじめない方もいるだろう。そうしたケースは、高齢化の進展に伴って増えるはずだ。その分、コンビニエンスストアや小売店舗のレジで必要なお金が引き出せればいいという社会的なニーズは高まるだろう。企業にとって、追加の設備投資額が抑えられるのも魅力だ。
この記事に関連するニュース
-
キャッシュカードはスマホ。動き出した「日本初のデジタルバンク」はこんな感じ
GIZMODO / 2021年1月15日 8時30分
-
FPに聞く! 2021年おすすめ「貯まる銀行」6選
マイナビニュース / 2021年1月14日 16時50分
-
お金が貯まらない人はまず「貯金30万円」から!どう貯める?
オールアバウト / 2021年1月8日 21時20分
-
銀行口座の選び方!メインバンク・サブバンクはどこにする?
オールアバウト / 2021年1月8日 11時30分
-
2021年のキャッシュレス業界 銀行の逆襲が始まるか
ITmedia ビジネスオンライン / 2020年12月31日 18時0分
ランキング
-
1存在感を発揮する「本当に強い女子大」の共通点 安田女子大、武庫川女子大、昭和女子大の戦略
東洋経済オンライン / 2021年1月27日 8時30分
-
2「テレワーク中の同僚の雑用が増えてつらい」女性の投稿に怒りと同情の声が交錯 同僚はママ友と楽しくランチ...(1)
J-CAST会社ウォッチ / 2021年1月26日 19時45分
-
3変わる企業 不要不急の会議、上司への忖度、広い職場も過去のものに
NEWSポストセブン / 2021年1月27日 7時5分
-
4節分に鉄分補給、「鬼」と「豆」が付く駅名10選 「鬼滅の刃」大ヒットで例年以上に注目集まるか
東洋経済オンライン / 2021年1月27日 7時30分
-
5「1000人以上の不正受給を幇助」給付金コールセンターが把握する悪徳税理士の手口
プレジデントオンライン / 2021年1月27日 9時15分