イオン、偽りの「お客様第一」…スーパーの利益率ほぼ0%、違法広告で国が措置命令

Business Journal / 2018年1月13日 0時0分

●セブン&アイとの決定的な差

 イオンに話を戻す。ブライベートブランド(PB)商品においても、同社の「お客様第一」の弱さを垣間見ることができる。同社はPB商品「トップバリュ」をグループ各社で展開しているが、競合のセブン&アイ・ホールディングスのPB商品「セブンプレミアム」と比較すると、イオンの弱さが顕著に浮かび上がってくる。

 セブン&アイは顧客の声をPB商品の開発に反映させるために、09年10月に顧客参加型のコミュニティサイト「プレミアムライフ向上委員会」をグランドオープンした。17年4月にはコミュニティを刷新し、「セブンプレミアム向上委員会」にリニューアルしている。顧客から意見や要望を能動的に聞く体制を古くから構築し、PB商品の開発に生かしてきたのだ。

 一方、イオンでは本格的な取り組みは遅れていた。コールセンターや店舗に寄せられた顧客の声を反映させる程度で、セブン&アイのように本格的な体制は構築できていなかった。家庭での使用状況を聞き取る調査と店頭での聞き取り調査を組み合わせた「商品カルテ」を作成し、そこで得られた顧客の声をPB商品の開発に反映させる取り組みを本格的に始めたのは14年ごろからだ。遅きに失した感が否めない。

 両社の取り組みの違いが、PB商品の売り上げ動向に違いを生じさせている。セブンプレミアムの16年度の売上高は前年比14.9%増の1兆1500億円だった。大きく増加している。一方、トップバリュの16年度の売上高は6.3%減の7156億円で、2年連続で前年を下回った。規模と成長力の両方でセブンプレミアムに軍配が上がっている。セブン&アイは顧客の要望を第一と考え、顧客の声をしっかりと取り込んできたからこそではないだろうか。逆に言うと、イオンの拙さが浮き彫りになったかたちだ。

 こうしたことから、イオンが掲げている「お客様第一」の理念が絵に描いた餅になっていることが同社の苦戦の大きな要因になっていると筆者は考える。「お客様第一」という言葉を掲げるだけでなく、売り場や経営で持続的に実践していくことがイオンには求められているのではないだろうか。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

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