三越伊勢丹、「大量バブル入社組」の人件費が経営圧迫…約1千人削減計画も失敗の様相

Business Journal / 2018年5月26日 0時0分

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 三越伊勢丹ホールディングス(HD)が5月9日に発表した2018年3月期決算は、売上高が前年比1.2%増の1兆2688億円、本業の儲けを示す営業利益が2.0%増の244億円と、増収営業増益を確保した。ただ、最終的な儲けを示す純損益は9.6億円の赤字に転落した。最終赤字は8期ぶりとなる。

 同社は現在、21年3月期を最終年度とする中期経営計画を進めており、収益体質の強化と事業構造の転換を図っている。

 18年3月期は、在庫リスクの先行処理として、売価で100億円以上の在庫処理を行ったほか、人員削減を進めるなど、コスト削減策を推し進めた。しかし、道半ばということもあり、経費削減効果が表れず、販管費が高止まりしたままで終わった。

 売上高販管費比率は27.0%で前年からはわずかだが改善したものの、14年3月期〜16年3月期がいずれも25%台だったことを考えると、コスト削減が進んでいるとはいえない状況にある。

 また、販管費の削減が進まなかったため、売上高営業利益率は前年から横ばいの1.9%にとどまった。14年3月期〜16年3月期がいずれも2.6%程度だったことを考えると、本業で儲ける力は落ち込んだままであることがわかる。

 さらに、伊勢丹松戸店を3月に閉鎖したことなどで店舗閉鎖損失として24億円を計上したほか、高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」を運営する三越伊勢丹フードサービスの店舗設備の減損損失として111億円が発生しており、ほかと合わせて261億円もの特別損失を計上した。これが大きく影響し、最終赤字に転落することとなった。

●進まないリストラ

 18年3月期決算は、構造改革の遅れが鮮明だったといえる。その筆頭は人員のリストラの遅れだ。

 三越伊勢丹HDには「ネクストキャリア制度」と呼ばれる早期退職制度があるが、早期退職を促すため、中核事業会社の三越伊勢丹では退職金を最大で5000万円積み増し、部長級の希望退職者の対象年齢を50歳から48歳に引き下げるという大胆な制度推進策の実行に踏み切った。これによりかなりの費用が生じることになるが、それでも人員削減を進めたい考えだった。

 しかし、この人員削減が思うように進んでいない。800〜1200人の応募者を見込んでいたが、18年3月期は180人弱にとどまったという。19年3月期も応募者を募る計画だが、現状の条件のままでは計画通りに応募者が集まるかは微妙なところだろう。退職金のさらなる積み増しで応募者を増やすことが考えられるが、これは財務内容のさらなる悪化につながるため、そう簡単にできることではない。

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