任天堂、早くも「Switchが飽きられた後」への不安…Wiiの悪夢は繰り返される?

Business Journal / 2018年6月22日 19時0分

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「Nintendo Switch」のヒットによって、任天堂の業績が顕著に拡大している。1個のヒット商品のおかげで、2017年3月期に6.0%だった営業利益率は18年3月期に16%超まで上昇した。ヒット商品のインパクトは大きい。

 近年の任天堂の経営を振り返ると、同社の経営は大きく変質している。もともとトランプや花札のメーカーだった同社は、これまでゲーム機を中心に大きなヒット商品を生み出してきた。そのヒット商品が、関連するゲームソフトや機器の売り上げにつながった。2002年に社長に就任した故岩田聡社長は、「Wii」をヒットさせた。06年にWiiが発売されると、老若男女がゲームを楽しむことができる特徴が支持され、多くの人が同機、そのソフトを求めた。それが、業績の拡大と株価上昇を支えた。

 ただ、ヒット商品はなかなか続かなかない。Wiiの人気が一巡するとともに、業績は伸び悩み、悪化した。6月末、岩田氏が開発に着手したNintendo Switchのヒットを実現させた君島達己社長は退任する予定である。次期社長に就任予定の古川俊太郎氏は、君島氏の発想を踏襲し、Switchを中心に関連するプロダクトやソフトの開発に力を入れることが予想される。

 今後、Switchブームが冷めると、任天堂の成長にはブレーキがかかる恐れがある。そのリスクを抑えるには、同社が新しい収益の柱を育てなければならない。次期社長が新しい商品の開発や海外事業の強化にコミットし、新しいヒット商品を生み出せるかに注目したい。

●連続的にヒット商品が生まれない任天堂
 
 これまで任天堂は、連続的に新しい商品を生み出し、ヒット商品に続く、次なるヒット商品を実現することに苦戦してきた。

 それは、岩田前社長の経営を振り返るとよくわかる。02年に創業家出身の故山内溥氏から社長のバトンを引き継いだ岩田氏は、インターネットへの接続機能を持つWiiを発売し、業績を拡大した。同時に、岩田氏はスマートフォン向けのコンテンツ開発などを強化するのではなく、得られた収益を既存ビジネス(Wii)の強化に投入した。この背景には、ゲームのプログラマーとして活躍してきた岩田氏のこだわりや自信があったのだろう。

 どのヒット商品にもいえることだが、ブームが冷めるにつれて、人気には陰りが出る。需要が右肩上がりで増え続けることはあり得ない。任天堂も、この問題に直面した。リーマンショック後、Wiiの需要が一巡するにつれ、同社の業績は伸び悩み、低迷し始めた。岩田氏は「3DS」の投入によって挽回をはかったが、思った成果は挙げられなかった。この結果、2012年3月期~14年3月期まで、同社は営業赤字に陥った。

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