米中ハイテク貿易戦争突入で報復合戦…中国、米韓半導体3社を独禁法違反容疑で調査

Business Journal / 2018年6月23日 19時0分

 史上稀に見るDRAMの好況を享受していた大手3社は突然、中国から「競争法違反容疑」という冷水をぶっかけられたわけだ。2016年以降のDRAM価格の高騰は異常ともいえる現象で、「いつか、何かが起きる」と思っていたが、中国当局による上記行動を予測することはできなかった。

●米中ハイテク貿易戦争の一環

 しかも、今回の中国当局によるDRAM大手3社に対する競争法違反容疑の調査は、米中ハイテク貿易摩擦の一環であると思われる。その根拠を、以下に示す(図3)。

(1)米国がブロードコムによるクアルコム買収を禁止

 まず、2018年3月12日に米国のトランプ大統領が「大統領令」を発令して、ブロードコムによる米クアルコムの買収を禁止した。現在のブロードコムは、2016年にシンガポールに本社があるアバゴ・テクノロジーが米ブロードコムを370億ドルで買収した会社である。買収したアバゴより、買収されたブロードコムのほうが会社名のブランド価値が高かったこともあり、ブロードコムと名乗ることになった。

 その新生ブロードコムが、1170億ドル(13兆円)でクアルコムに対して買収を提案した。しかし、クアルコムと中国最大のスマホメーカーのファーウエイが、次世代通信5Gをめぐって規格争いをしていた。ここで、もしクアルコムが新生ブロードコムに買収された場合、5Gの通信規格を中国側に握られる危険性があると、米国側が判断した。その結果、この買収を米国が「大統領令」により阻止した。

 新生ブロードコムは、「本社をシンガポールから米国に移す。したがってわが社は米国籍である」と主張していたが、米国側は新生ブロードコムの本性は中国寄りであると見ていたと思われる。

●米国がZTEに対して輸出規制

 次に、米商務省は4月16日、インテルやクアルコムの半導体チップを中国スマホメーカーZTEに輸出することを7年間禁止する決定を下した。その理由は、ZTEが2010年から2016年にかけて、米国の輸出規制に違反し、イランや北朝鮮にスマホ等の通信機器を輸出していたからである。

 このような輸出規制は、アップルやサムスン電子に次いでスマホの出荷台数世界第3位に成長したファーウエイにも適用される可能性もあった。

 その後、米国によるZTEへの制裁は、巨額の罰金と経営陣の入れ替えなどを条件に解除される見通しとなった(6月7日付日経新聞より)。ここに至るまでに、中国の習近平国家主席が何度もトランプ大統領に電話をして、ZTEへの制裁を解除するよう申し入れたという。その結果、米国側は「米国に逆らうと大怪我をする」ことを痛いほど中国にわからせたといえる。

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