米中ハイテク貿易戦争突入で報復合戦…中国、米韓半導体3社を独禁法違反容疑で調査

Business Journal / 2018年6月23日 19時0分

(3)中国がクアルコムによるNXP買収に難色

 米国側から2回もビンタを食らった中国も黙っていない。クアルコムは、2016年10月にオランダのNXPセミコンダクターズを470億ドル(5兆円)で買収することで合意していた。あとは各国の独禁法の審査待ちとなり、残すは中国一国だけになっていた。

 クアルコムは通信半導体メーカーであり、NXPは車載半導体メーカーである。クアルコムは自動運転車の分野への進出を目指して、NXP買収を提案した。同じ半導体といっても、分野が異なる2社間の買収であり、独禁法に抵触する可能性はほとんどない。

 ところが、中国商務省がこの買収に突然待ったをかけた。その結果、クアルコムは4月19日、中国への独禁法の再申請をする羽目になった。これは明らかに、米国に対する中国の嫌がらせである。中国が米国へ1発ビンタを張り返したのだろう。

(4)米ベイン率いる日米韓連合による東芝メモリの買収に中国が難色

 さて上記のように、米国が2発ビンタを繰り出し、中国が1発お返しした状況で、5月末に、東芝メモリの売却に関する中国での独禁法の期限を迎えようとしていた。ことと次第によっては、中国が2発目のビンタをお見舞いすることが想定された。

 では、もし米ベイン率いる日米韓連合が東芝メモリを買収したら、どのような損害を中国が被ることになるか。

 東芝メモリのNANDの多くは、中国のスマホに搭載されていると聞いている。ところが、日米韓連合に買収されると、そのなかの米アップルや米デルが東芝メモリのNANDを独占し、ファーウエイやZTEへのNANDの供給を制限する可能性がある。よって、中国が独禁法の審査で「NO」を突きつけるのではないかと筆者は予測せざるを得なかった。

 そして、筆者が予想していたことが起き始めた。4月22日に毎日新聞が、「東芝は、東芝メモリの売却について、5月末までに独占禁止法の審査で中国当局の承認が得られなければ、売却を中止する方針を固めた」と報じたのだ。これに対して東芝は翌日の4月23日、「当該期限については当社から公表したものではない」「特定の条件下での、売却取りやめを含むいかなる具体的な方針も決定していない」とコメントしたニュースリリースを公開したが、毎日新聞の報道は的を射ていたと思う。

 なぜなら5月22日付日経新聞記事『幻のメモリー温存案』も、「2017年8月10日午前、東芝本社で開いた取締役会。綱川の不意の発言に、場の全員が息をのんだ。『メモリーを売らないプランBという選択肢もある。会見でそう説明したい』」と報じていたからだ。

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