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【オウム真理教・7人同時死刑執行】賛否両論巻き起こる死刑制度について江川紹子の提言

Business Journal / 2018年7月11日 19時0分

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 オウム真理教の教祖、麻原彰晃こと松本智津夫ら7死刑囚の刑が執行された。7人を1日で執行というのは、戦後では、1948年12月23日にA級戦犯7人が処刑されて以来の大量執行となる。

 これについては、さまざまな論評がなされている。

 私自身は、教祖の死刑執行については妥当だが、(1)教祖一人ではなく、かつての弟子6人を同時に執行したこと、(2)なぜこの6人を選定したのかが明らかでないこと、(3)なかには初めての再審請求を提出したばかりの者もいて、その者についても執行したこと――については遺憾である旨を、さまざまなメディアを通じて申し述べてきた。

 特に、(2)と(3)については、今後の死刑制度の在り方に関わる問題でもある。今回の執行を機に、制度についても考えてみたい。

 教祖と同時に執行された6人について、法務省は人選の理由を説明していない。従来、法務省は、同じ事件の共犯者の死刑は同時執行を原則にしてきた。しかし、今回の執行はその通りにはなっていない。たとえば、麻原、中川智正、井上嘉浩、新実智光、遠藤誠一、土谷正実の6死刑囚は地下鉄サリン事件で有罪になっているが、同事件の実行犯らは今回は執行されていない。坂本弁護士事件で有罪になった麻原、中川、新実、早川紀代秀の4人は執行されたが、岡崎一明と端本悟の両死刑囚は今回の執行には入っていない。

 今回の対象者を見ると、地下鉄サリン事件当時、オウム真理教が国家を模して、組織の部署名を「◯◯省」「××庁」を読んでいた時期に、各部署のトップにいて「◯◯大臣」「××庁長官」などと呼ばれていた教団幹部たちだ。麻原に最も近い人たちを選んで一時に執行した印象を受ける。これでは、教団の側から見れば、「尊師が高弟たちを引き連れて転生する」という絵柄になってしまう恐れがある。

 その一方で、有罪となった犯罪の多い順に7人を選んだ、と見る人もいる。たとえば、今回執行された新実や中川は坂本事件、地下鉄・松本両サリン事件など11の事件で有罪となるなど、坂本・松本・サリンプラント建設と3件で有罪になった端本より、はるかに多くの犯罪を犯している。

 だが、そうすると、なぜ執行する人数を7人に決めたのか、という新たな疑問が浮かぶ。事件数が4件だった遠藤は執行されたのに、同じく4件の豊田亨が今回の対象になっていなかったなどの疑問も残る。

 いったいどのような基準で7人の対象者を決めたのか、明らかにすべきだろう。執行後の記者会見で、上川陽子法相はこの点について聞かれても答えなかった。執行がこの時期になった理由についても、同法相は「個々の執行の判断に関わる重要事項なので差し控える」と言及を避けた。

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