絶賛を集める『グッド・ドクター』に違和感…フジテレビの戦略勝ちか

Business Journal / 2018年8月17日 19時0分

●「韓国ドラマが原作」を前面に出さない戦略

 次に挙げたいのは、振り幅の大きさを意識したキャスティング。主演の山崎賢人は、今冬放送のドラマ『トドメの接吻』(日本テレビ系)で演じたようなイケメンのイメージが強いだけに、今作で見せるギャップで驚きを与えている。

 また、治療を受ける側の子役も、赤ちゃんから高校生まで振り幅が大きい。たとえば第5話では、カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを獲得した『万引き家族』(ギャガ)での演技が絶賛を集めた城桧吏を起用したように、知名度の振り幅もある。

 ネット上のクチコミで「山崎賢人の演技がすごい」「毎週、子役の熱演に泣かされる」という声が多いことが、その振り幅を証明しているといっていいだろう。山崎と子役の演技を上野樹里、藤木直人、中村ゆり、柄本明ら実績十分の助演俳優が静かにサポートしていることも大きい。

 もうひとつ見逃せないのは、「できるだけ原作に触れない」という方針。前述した通り、『グッド・ドクター』の原作は韓国ドラマであり、現地で受賞歴を持ち社会現象にもなっている、文句なしの大型原作だ。

 本来なら、「韓国ドラマの名作が……」「韓国で社会現象となった……」と大々的にうたいたいところだが、日本版『グッド・ドクター』のホームページを見れば、それをほとんど打ち出していないことがわかる。

「フジテレビと韓国」といえば、2011年の韓流ゴリ押し騒動が記憶に新しい。フジテレビにしてみれば、ネット上で猛烈なバッシングを受けたほか、抗議デモを起こされて視聴率低迷につながった苦い過去があるだけに、韓国ドラマの扱いには慎重なのだ。

 しかも、前期の春ドラマで、系列局の関西テレビが韓国ドラマ原作の『シグナル 長期未解決事件捜査班』を放送したばかり。「2期連続で韓国ドラマ原作なのか」というツッコミをできるだけ受けないように配慮しているのだろう。

 放送前の7月8日に行われた第1話完成披露試写会も同様で、主要キャストの舞台あいさつ時も「韓国ドラマの大型原作」であることには触れず、会場に約160人の子どもを招いて質問タイムを設けるなど、「子どもたちが見られる感動作」というムードを貫いていた。

 つまり、原作が韓国ドラマであることを知らずに見ている人が多く、のちに知ったとしても、すでに「感動作」というイメージが定着し、批判の声をあげにくい状況となっているため、大勢に影響はないのだ。

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