東京進出に成功した地方の飲食店の共通点…平田牧場とサザコーヒーの経営戦略

Business Journal / 2018年8月30日 0時0分

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 夏休みに故郷へ帰省した人もいるだろう。とかく「東京一極集中」がいわれるが、地方には地方ならではの良さもある。飲食業界でも地方で存在感を示す人気店は多い。

 だが、そうした人気店のなかには、東京都心に進出する店も目立つ。失敗する場合もあるが、試行錯誤しながら軌道に乗せた例もある。

 今回は、ともに東京駅前の商業施設「KITTE(キッテ)」に店がある「平田牧場」(本店・山形県酒田市)と「サザコーヒー」(本店・茨城県ひたちなか市)に焦点を当て、東京都心に店を出した狙いと、現在の取り組みを紹介したい。

この2店を選んだのは、以下の3つの理由からだ。

(1)どちらも県庁所在地ではない地方都市(人口十数万人)で存在感を高めたこと。
(2)ともに直営農場を持ち、川上(養豚とコーヒー豆栽培)から川下(飲食店経営)まで一貫して事業に取り組むこと。
(3)時期は違うが、同じビルに入居するようになったこと。

地方人気店の都心戦略として、参考にしていただきたい。

●特別な豚肉、「金華豚」専門店として訴求

「当社は直営店としてレストランを10店展開しています。うち山形県に5店、東京都内に4店ありますが、東京駅前にあるKITTE店は、フラッグシップ(旗艦店)の位置づけです。この店は特に、『平田牧場金華豚』という豚肉の専門店として訴求しています」

 こう話すのは、平田牧場社長の新田嘉七氏だ。父・嘉一氏(同社会長)の跡を継ぎ、1999年に社長に就任して以来、レストラン事業を推進する。東京都心への進出は2004年で、コレド日本橋(東京都中央区)の「とんかつと豚肉料理 平田牧場」が都心1号店だった。

 同社は、嘉一氏が米作農業から養豚業に転じて以来、豚肉の品質向上に取り組んできた。1974年からは生活クラブ生協連合会(東京)と二人三脚で、無添加で良質な豚肉づくりに注力。長年、生協への直販ルート(BtoB=企業対企業)で事業基盤を固めた。それが2002年(酒田市の店)からレストラン業(BtoC=企業対一般消費者)に進出した経緯がある。

 現在「平田牧場三元豚」「平田牧場金華豚」というブランド豚肉を手がけ、平田牧場三元豚は年間約20万頭を出荷し、単一の豚肉としては日本でもっとも出荷頭数が多い。一方、平田牧場金華豚は世界三大ハムのひとつで、高級中華食材「金華ハム」の原料豚でもある。「三元豚」は競合も手がけるが、「金華豚」や、さらに希少な「純粋金華豚」を手がけるのは2社しかない。

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