パイオニア、経営破綻危機に…資金ショート寸前、カーナビ需要急減に対応遅れる

Business Journal / 2018年9月5日 0時0分

 スマホの普及がパイオニアを追い込んだ。GPS(全地球測位システム)機能が搭載されたスマホが急速に浸透したことで、「スマホのカーナビアプリで十分」と考えるユーザーが増え、自動車に後付けする市販のカーナビの需要が急速に落ちた。

 パイオニアは市販品を得意としており、自動車メーカーが生産段階でカーナビを埋め込むOEMへの対応が遅れた。

 しかも、自動車メーカー各社は、この5年の間に、スマホとカーナビを連携するコネクテッドカー(常時インターネットに接続している自動車)の生産に経営の舵を切った。パイオニアは、こうした自動車のIT化の流れに対応できず、これが致命傷となった。

 業績が悪化したのは17年3月期に量産を始めたOEM向けカーナビの開発費用が想定以上に増えたことが大きい。受注当初には要求されなかったコネクテッドカー機能の追加など、度重なる仕様変更の対応に追われ、莫大な開発費用を費やした。

 その結果、17年3月期の最終損益は50億円の赤字、18年同期は71億円の赤字。19年同期は最終損益を開示していないが、営業損益段階では50億円の赤字の見通しで、市場関係者は「最終赤字は100億円を超える」とみている。

 カルソニックカンセイと資本提携して、経営危機を乗り切ることができるのだろうか。日産から独立したカルソニックカンセイは、日産以外への販路の拡大や次世代コックピットの開発など新しい分野を強化している。パイオニアが持つ完成車メーカーへの販路や、カーエレクトロニクス分野の技術は、買い手にとって魅力だろう。

 いずれにしても、パイオニアの解体は避けられそうにない。

●カーナビメーカーはどこも苦しい

 不振に喘ぐカーナビメーカーは、パイオニアだけではない。日立製作所の子会社、クラリオンは業績悪化で開発、営業体制を再編し、今年1月、450人規模のリストラを実施した。また、富士通はカーナビ子会社をデンソーに売却した。アルパインは親会社のアルプス電気との経営統合を目指している。

 スマホのカメラ機能の向上でデジタルカメラ市場は縮小。なかでも、スマホと差別化がしにくいコンパクトデジカメは壊滅状態だ。カーナビもデジカメと同じ運命を辿ろうとしている。
(文=編集部)

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