もっとも高価な魚沼産コシヒカリが食味ランキングで陥落…つや姫とひとめぼれが逆転

Business Journal / 2018年9月19日 0時0分

 そうしたなかで、近年めきめきと評価が高まっているのが北海道の米である。かつては「やっかい道米」と揶揄されたが、食味ランキングでは、ななつぼしが10年から、ゆめぴりかが11年から「特A」の座を守り続けている。特に、ゆめぴりかはタレントのマツコ・デラックスを起用したテレビCMをはじめとするPR効果もあり、今では全国的な知名度と人気を誇るブランド米となった。

「ゆめぴりかは、『夢』とアイヌ語で『美しい』を意味する『ピリカ』を合わせた名前で、1997年に道立上川農業試験場で、北海287号を母、ほしたろうを父として、手作業で人工交配したのが出発点。新品種としてデビューしたのは2009年です。12年かけて誕生したわけです。たんぱく含有率基準をはじめとする徹底した品質管理が高い評価につながったのです」(経済ジャーナリスト)

 果たして今後、魚沼産コシヒカリの巻き返しはなるのか。

●減反政策廃止で米の生産にどんな変化があるのか

 米の生産は今年、一大転換期を迎えている。政府が半世紀近く続けてきた米の生産調整、いわゆる減反政策を今年から廃止した。農家が自らの意思で作付けを行っていくことになったのだが、2018年度の主食用米の生産に関しては、36都道府県が前年並みで、増加は6県にとどまった。農家の高齢化と人手不足で作付けを増やせないという理由に加え、増産すれば取引価格の低下を招くことから慎重になっている農家が多いという。

「減反政策の廃止は、政府としては、自由競争で農家の競争力を高めたいという表向きの理由のほかに、需要の高まりで価格上昇が続く業務用米の安定供給を図りたいという思惑があります。ただ、高級ブランド米は高値傾向です。17年産魚沼産コシヒカリの取引価格の平均が60キログラム・2万719円、ゆめぴりかが同1万7370円など、前年産を上回る価格となっています。ブランド米の価格が高値安定している以上、農家は家庭用米から離れないとみられています」(同)

 17年産全銘柄の平均価格は、玄米60キログラム当たり1万5591円。前年の1万4307円を1284円上回っている。ちなみに、もっとも高い魚沼産コシヒカリ(2万719円)と、最安値の中国地方産ヒノヒカリ(1万3385円)では、金額で7334円と1.5倍もの価格差がある。

 減反政策の廃止で主食用米の生産量、取引価格、そしてブランド格差はどう変化していくのか。うまい米の多様化で、国民の米離れに歯止めはかかるのか。農家だけでなく消費者にとっても見過ごせない問題である。
(文=山田稔/ジャーナリスト)

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