「大して安くない」いきなり!ステーキ、いきなり深刻な客離れ…値上げ連発で行く意味消失

Business Journal / 2018年10月12日 0時0分

●大量出店の勢いは維持

 依然として続く肉ブームのなかで、おいしいステーキを提供する店が増えていることも「いきなり!ステーキ」の競争優位性を低下させる要因となっている。日本フードサービス協会によると、17年の飲食店売上高は前年比で3.1%増えたが、そのなかでも特に「焼き肉」カテゴリーの伸長が著しく、7.8%増と大幅な伸びを示している。近年は、大小さまざまな企業が肉料理を提供する飲食店を出店しており、「いきなり!ステーキ」を取り巻く環境は厳しさを増している。舌の肥えた利用客が離れていったり、「いきなり!ステーキ」を選択肢から除外する消費者が増えていったりしたのではないか。

「いきなり!ステーキ」のブームが一巡したことも大きいだろう。今年4〜7月の客数がマイナスとなったのは、反動減による影響がある。昨年4〜7月の対前年同月比増加率はいずれの月も20%超と大きく上振れていた。昨年3月以前はマイナスの月も多く、昨年4月から急激に客数が増えていったことがわかる。

 昨年4〜7月において客数が大幅に増えたのは、話題性のあるキャンペーンやイベントがあったことが大きい。食べた肉のグラム数を記録できる「肉マイレージカード」の発行枚数が100万枚に達したことを記念し、同年4月10日〜5月9日に総額100万円のプレゼントキャンペーンを実施したほか、同年5月にペッパーフードサービスが東証マザーズから東証2部へ市場変更し、そのわずか3カ月後の同年8月には東証1部に昇格することが話題となった。こうしたことで「いきなり!ステーキ」に関心が集まり、客数が大幅に増加した。

 今年4〜7月の客数が大幅に減ったのは、こうしたブームが去ったことも影響したと考えられるだろう。

 もっとも、「いきなり!ステーキ」の業績は決して悪いわけではない。むしろ絶好調といっていい。直近の18年1〜6月期の同事業売上高は、前年同期比2.1倍の234億円と大幅な増収を達成した。わずか半年で98店も新規出店し、店舗数が284店に拡大している。店舗数の拡大が業績に大きく寄与したかたちだ。

 新規出店では特にフランチャイズ(FC)店の出店が目立った。国内では、4割に当たる約40店がFC店での出店だ。業績不振に陥ったラーメンチェーン大手の幸楽苑ホールディングスがフランチャイジーとなって、昨年12月に傘下のラーメン店「幸楽苑」の店舗を転換するかたちで「いきなり!ステーキ」の1号店を出店した。同社は、その後も同様にFC店を次々と出店している。また、CDやゲームソフトを販売するワンダーコーポレーションも今年6月に「いきなり!ステーキ」を出店している。このようにして、FC店が一気に増えていった。

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