新ドラマ『大恋愛』を現役女医が絶賛する理由…若年性認知症の兆候と患者の現実

Business Journal / 2018年10月20日 22時0分

 女医友達のひとりが、親が早い段階でアルツハイマー型認知症を発症し、自分も積極的に頭部MRI検査を受けていたと聞いたことがあります。職業柄、知識があるゆえの先読みも不安もあるわけで、自分の頭部MRI画像を見るときの気持ちは想像もできません。尚も自分が若年性アルツハイマー型認知症と診断されれば、容易にその先の自分の10年、20年は想像ができるはずですから、そのあたりが劇中でどのように描かれるのか、気になります。

●初期や軽度の認知症では画像診断が困難

 しかしながら、若年性認知症の初期には画像での客観評価が困難なため、周囲から心理的・社会的な症状と誤解されてしまうこともあるようです。婚約者の井原侑市(松岡昌宏)が尚のMRIを見て、「説明できない。俺の直感」と語っていましたが、認知機能障害診断のポイントとなる海馬やその周囲の萎縮がなくても、頭頂葉やその周囲の萎縮のほうが目立っている場合には、若年性認知症を疑うことが重要と文献にもあります。さすがは、アルツハイマーの最先端の研究をしている侑市です。

 そして、劇中にも出てきた「MCI」(軽度認知障害/mild cognitive impairment)は、アルツハイマー病の早期診断・治療のために注目されている概念です。アルツハイマー病の研究は精力的に行われてはいるものの、いまだ開発途上ですから、その進行を遅らせることもとても重要なのです。日常生活活動が以前よりも時間がかかる、非効率、あるいはミスが多くなる、ということもMCIの診断基準に入ってきます。

「仕事が複雑になるとわからなくなってしまう」「新しい作業が覚えづらい」など、診断基準を見ていると、思わず不安になってしまう言葉が羅列されています。今時のPCやスマートフォンも積極的に使いこなせるようでないと、余計な不安にさいなまれてしまいそうです。

●合理的でぶれない性格の女医が、どう変わっていくのか

 さて、このドラマを見ていて私が「面白いな」と感じたのは、女医・尚のキャラクターです。自分に自信があり、行動にぶれのない尚。言葉尻に迷いはみられません。利己的な遺伝子に抑制されながら恋愛をしてきたようでした。

 結婚前に感染症の検査をすることはあっても、採血結果を交換している医者は私の周りにはいませんでした。お互いのニーズを理解し合い、きちんと肉体の相性を確認したうえで婚約にいたった侑市と尚。なんと無駄のない2人でしょう。皆がこうやって生きていけたら幸せなのかもしれないとすら感じてしまいました。これが世間の女医のイメージなのでしょうか。男性に右往左往しないイメージ。確かに、さくっと離婚する人は多いかもしれませんが……。

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