混迷を極める“レーダー照射問題” 青瓦台に配慮して韓国海軍も本音を語れず!?

Business Journal / 2019年1月11日 19時0分

 しかし、韓国の駆逐艦が取った行動は違った。海自の哨戒機の接近に対して、自分から呼びかけもせず、その後に海自機側が3つの回線で各2回ずつ駆逐艦側に呼びかけを行ったのに、一切応答もしていない。韓国側は「海自側の英語の発音が悪く、聞き取れなかった」と主張しているが、前出の幹部自衛官は「うまく聞き取れなかったら、もう一度繰り返すよう要求するのが普通。緊急用回線での呼びかけを一切無視することこそ国際的におかしな行為」と憤りを隠さない。

 火器管制レーダーの照射があったかどうかももちろん問題だ。世界各国の兵器の情報を集める「ジェーン年鑑」によると、クァンゲト・デワン級駆逐艦には4種類のレーダーが搭載されている。韓国側が当時稼働させていたと主張しているのは、対水上探査用の「MW08」と呼ばれるレーダー。回転しながら電磁波を全方位に照射して海上の目標を探査するタイプのレーダーで、探知したレーダー波は心電図の波形のように瞬間的に高くなっては低くなる波形を定期的に繰り返す。

 一方、日本側が照射されたと主張しているのは、火器管制レーダーの「STIR180」。こちらは標的を追尾しながら強い電波を当て続けるので、波形は高止まりのままになる。両方とも用いられる周波数帯も違う(ジェーン年鑑によると、MW08はGバンド、STIRはI~Kバンド)。

 火器管制レーダーの照射は、対空ミサイルや主砲の照準を合わせる「ロックオン」と呼ばれる発射一歩手前の行為であり、やはりCUESでは「攻撃の模擬」と位置づけられ、「避けるべき行為」のひとつとして定められている。仮にその照射が事実であれば、岩屋毅防衛相が主張するように、「不測の事態を招きかねない極めて危険な行為」ということになろう。

 実際の照射の有無を証明するには、日本側が探知したレーダーのデータを公開が必要になるが、日本側は、自衛隊の電波探知能力を明らかにしてしまうために公表には消極的とされている。ただ、この問題を取材する全国紙記者は「日本政府はさらなる証拠の開示に前向きで、すでに検討を進めている」と明かす。しかし、それでも問題は収まりそうにないという。「公表したとしても、探知能力を隠すために一部を加工せざるを得ないし、そうすれば韓国側はまた『ねつ造だ』などと主張することになるだろう」(同記者)

●だんまりを決め込む韓国海軍、そして在韓米軍

 落としどころはないのか?

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