4億円の赤字でも社長報酬14億円のあの“お騒がせ企業”、ついに身売りで他社の完全子会社に

Business Journal / 2019年1月18日 6時0分

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 ミネベアミツミが売上高1兆円企業の仲間入りを果たす。

 精密部品メーカーのミネベアミツミは、同じ東証1部上場の自動車ドア関連部品メーカーのユーシンを買収する。2019年1月下旬からユーシン株に対して1株あたり985円でTOB(株式公開買い付け)を実施して完全子会社にする。買収総額は326億円を見込む。

 ミネベアミツミの19年3月期の売上高は9400億円、ユーシンの18年12月期の売上高は1510億円の見通し。単純合計すると、連結売上高が1兆910億円の企業となる。

 ミネベアミツミの貝沼由久会長兼社長は積極的なM&A(合併・買収)で、同社をベアリングから電子部品まで扱う総合部品メーカーに育てた。自動車部品は電動化を背景に再編の最中にある。

 ミネベアミツミは自動車向けにボールベアリング(軸受け)や液晶バックライト、モーターなどを生産。ユーシンは電子錠やドアハンドルなどを国内外の自動車メーカーに供給している。完成車メーカーと直接取引するユーシンの販売網を取り込み、成長市場と位置づける自動車分野を強化する。

●「買収王」義父譲りの貝沼社長のM&A攻勢

 貝沼氏は旧ミネベアの中興の祖といわれた元社長、故高橋髙見氏の娘婿である。従業員10数人の日本ミネチュアベアリング(のちのミネベア)に入社した高橋氏は、1970年代から国内外でM&Aを重ね「買収王」の異名をとった。

 85年から88年にかけての、ミネベアによる世界的なオルゴールメーカー、三協精機製作所(現日本電産サンキョー)の乗っ取りは、M&A攻防戦の歴史に名をとどめる。だが、高橋氏の最後の乗っ取りは失敗に終わり、有終の美を飾れなかった。

 貝沼氏は慶應義塾大学法学部法律学科を卒業。ハーバード大学ロースクール出身で国際弁護士の資格を持つ。米国で弁護士をしていたが、義父の招きで88年にミネベアに入社した。胃がんに侵された高橋氏が三協精機の乗っ取りを断念した年だ。高橋氏は翌89年に亡くなった。娘婿の貝沼氏に事業の後継を託したのだ。

 貝沼氏は松下電器産業(現パナソニック)との小型モーターの合弁会社の経営で事業家としての経験を積み、2009年、ミネベア社長に就任。貝沼氏は義父譲りの買収による多角化とグローバル化を両輪に、攻めの経営を進めた。

 貝沼氏の大型買収がミツミ電機との経営統合である。ミツミ電機はスマートフォンメーカー向けのカメラの手ぶれ補正器などの電子部品の販売が落ち込み、16年3月期の連結最終損益は98億円の赤字(その前の期は38億円の黒字)に転落した。

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