ラファエル氏アカウント停止が契機に?「ユーチューバーは稼げる」という幻想の終焉

Business Journal / 2019年2月2日 11時0分

 だが、それは1動画の再生回数が1000万回を軽く超えていた3年前までのこと。最近は2年前の「30分AAAjoken動画!お外で遊べるオススメおもちゃ動画まとめ」が再生回数58万回、8カ月前の「任天堂 ミニ スーパーファミコンを開封してみた!」が3.8万回と、低迷の感は否めない。

●厳しいが再起を許す場であってほしい
 
 城ノ下容疑者は容疑を否認しているようなので、現時点では推定無罪。警察に逮捕・勾留されると「犯罪者」として扱われてしまう状況のなかでは、あれこれ詮索するのは避けたいところだ。前出の映像クリエーターによると、YouTubeの利用規約や、動画投稿者にとって収入源となる広告配信サービス「Google AdSense」の規定は厳格なことで知られ、違反すると容赦なくアカウントが凍結(BAN)されるという。なかでも登録者数や再生回数を不正に増やすことには厳しい。広告料の詐取に当たるからだが、投稿者が逮捕されてもBANの事由にはならないという。

「30分AAAjoken動画!」チャンネルが閉鎖されなければ過去動画が再生されるので、城ノ下容疑者はそれなりの収入が維持できるだろう。YouTubeの運営元は「原則無罪」の立場を貫くはずなので、ネットに溢れている「AAAjokenはもうダメ」という見方は必ずしも当たっていない。

 一般論だが、城ノ下容疑者がユーチューバーをサポートするMCN(マルチャンネルネットワーク)事業者の支援を今後は受けることができないとすると、税務処理などのサポートやスポンサーの確保などが難しくなる。特に今回は大麻保持という反社会的な行為での逮捕なので、イメージを重視する子ども向け玩具のスポンサーが一斉に降りてしまうことが考えられる。

「再起するには一からの出発を覚悟しなければならない」と、ベテランのユーチューバーは指摘する。ハンドルネームを変え、テーマを変え、改めてYouTubeパートナープログラムに登録してチャンネルを開設するということだ。風説が流れるなかでその手続きを進めるのは困難を伴うだろうが、つい6年前は日本にユーチューバーは存在しなかった。ネット空間は挫折者に厳しいだけでなく、彼らが再起可能な寛容な世界であってほしいとも思う。

●転機は2012年のパートナー要件緩和
 
 城ノ下容疑者がYouTubeへの投稿を始めた2012年は、YouTubeパートナープログラムの要件が大幅に緩和され、誰もが動画をアップできるようになった年だ。つまり爆発的に増えた自称ユーチューバーの一人だった。また、YouTubeの親会社であるグーグルが各国・地域ごとのユーチューバーを管理する組織(MCN)を規定した年でもあった。投稿者が爆発的に増えたため、ユーチューバーの直接管理から各国・地域の間接管理に転換したのだ。それに伴って、広告料の適正な支払い事務、YouTube規約の遵守、著作権問題、登録者数や再生回数の不正操作の排除といった課題に対応するため、MCN機能を持つマネジメント事務所が登場した。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング