Tポイント、なぜ崖っぷちに?顧客データ販売ビジネスの限界、ファミマ独占終了の理由

Business Journal / 2019年2月11日 8時0分

 PayPayは、ソフトバンクとヤフーによって設立されたが、この2社はTポイント・ジャパンの出資者でもある。PayPay設立の記者会見の際に、「Tポイントのほうはどうなるのか?」という質問には、「今回は私たちだけで」などとはぐらかしたという。時代の潮目を見て、TポイントからPayPayへと乗り換えていく戦略とも見て取れる。大手コンビニでPayPayが使えるのは、ファミマだけだったが、今はローソンでも使える。

●警察への情報提供発覚も痛手に

 ファミマがTポイントとの独占契約をやめた理由は、QR決済の台頭だけではない。Tポイントで得られた顧客の属性や利用履歴などのデータは、TSUTAYAとTポイントを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に集積される。データはファミマも利用できるが、主導権はCCCにあり利用料を払う必要もある。集積された情報をデータベース化し商品開発等のために提携先に販売する事業が、Tポイントのビジネスの主軸だ。

「ファミマとしてみれば、商品を売っているのは自分たちなのに、それがほかで利用されるというのは、情報が吸われちゃう感覚なんじゃないですか。ファミマとしては、自分たちでやろうということで、ファミマペイというのを考えています」
 
 今年の7月から全国のファミマに導入されるファミマペイは、PayPayなどと似た仕組みだ。店頭のレジでチャージすることもできる。

「Tポイントは、裁判所の令状なしに会員の情報を警察に提供していたことが判明しましたが、ああいうことがあるとイメージ悪いですよね。警察に情報提供することもあるということを、会員規約に明記するっていうことですけど、今のご時世、それで利用者は納得するんでしょうか。

 Facebookユーザーのデータがコンサルティング会社に不正利用されていたということがありましたけど、EUではそうしたことを規制するためにGDPRという法律ができました。GDPRは『General Data Protection Regulation』の略で、一般データ保護規則という意味です。同じような規制は、日本でも検討されています。昔と比べて個人情報の扱いに敏感になっている今、顧客のデータを売るというビジネス自体が時代に逆行している気がします」

 共通ポイントでは最強だったTポイントが今、崖っぷちに立たされている。QRコード決済は、楽天ペイ、d払い、Pay Pay、LINEPay、ゆうちょPay、Amazon Pay、auPayなどがあり、さらにファミマペイが加わる。乱立状態だ。昨年のPayPayのキャンペーンに対抗するように、LINEPayは1月、20%還元のキャンペーンを行った。それに対して、PayPayは2月12日から20%還元キャンペーンの第2弾を展開するという。中核事業の収益を原資にしてポイントをばらまくという、激しい利用者争奪戦が展開されている。いったい誰が勝者となり、それがいつまで続くのだろうか。
(文=深笛義也/ライター)

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