米国トランプのロシア疑惑、2年経過も証拠なし…主要メディアの偽ニュース続々発覚

Business Journal / 2019年2月28日 20時0分

 トランプ氏のフリン氏に対する指示が大統領選中であれば、民間人だったトランプ陣営が外交を行っていたとして、罪に問われる可能性があった。ところが実際には、指示は選挙に勝利した後だったと判明。違法でもなんでもない。ABCは12月3日、報道に「深刻な誤り」があったとして謝罪し、ニュースを伝えたブライアン・ロス記者は停職となった。

●(6)メールの日付間違う

 またCNNの誤報だ。17年12月8日のニュースで、内部告発サイト、ウィキリークスが一般公開前の情報をドナルド・トランプ・ジュニア氏(トランプ大統領の長男)にメールで送っていたと伝えたが、間違いであることが判明した。

 同サイトは大統領選中、民主党陣営の内部メールを流出させ、打撃を与えた経緯がある。報道によれば、ウィキリークスの関係者が選挙期間中の2016年9月4日、民主党の盗まれた文書をトランプ陣営に対し特別にメールで提供していた。

 ところが実際には、メールはその情報が一般に公開された後の9月14日に送付されたものだった。CNNは記事を訂正したが、誤報の原因については説明していない。

●(7)ウィキリークスが告訴へ

 これもウィキリークスに関連した報道。18年11月27日、英紙ガーディアンは、トランプ陣営の選対本部長を務めたポール・マナフォート被告が、16年春にウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジ氏と密会していたと報じた。

 ルーク・ハーディング記者が書いた同紙の記事によると、マナフォート被告はトランプ陣営に加わった2016年3月ごろのほか、2013年と2015年にもロンドンのエクアドル大使館を訪れ、籠城中のアサンジ氏と会っていたという。

 しかしその後、報道された事実を確認したメディアはなく、ビデオや写真などの証拠も見つかっていない。元ガーディアンのジャーナリスト、グレン・グリーンウォルド氏によれば、ガーディアンは質問への回答を一切拒んでいるという。

 マナフォート被告、ウィキリークス、エクアドル大使館とも報道内容を全面否定。ウィキリークスはガーディアン紙を告訴するため、資金を集めるキャンペーンに乗り出した。誤報が確定したわけではないが、限りなくクロに近い状況だ。

 これらの誤報を日本のマスコミは右から左に伝え、誤りが判明してもほとんど訂正しない。ロシア疑惑は事実の裏付けがないにもかかわらず、あたかも事実のような印象だけが膨らんでいく現状は、危険だといわざるをえない。
(文=木村貴/経済ジャーナリスト)

<参考文献>
Glenn Greenwald, "Beyond BuzzFeed:The 10 Worst, Most Embarrassing U.S. Media Failures on the Trump-Russia Story," The Intercept
小川聡・東秀敏『トランプ ロシアゲートの虚実』文春新書

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