ハスラーやジムニーなどスズキ車のデザインが、本末転倒な他社をあざ笑うかのように自由な理由

Business Journal / 2019年4月10日 8時0分

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 前々回の本コラムでは、クルマの顔を示す各メーカーの取り組みを紹介したけれど、いわゆる「デザインフィロソフィ」は顔だけじゃなく、全身を示すモノもあるのをご存知だろうか。

 最近注目されているのがマツダの「魂動(こどう)」。鉄の塊に生命感を与えるという取り組みは、先代のCX-5など新世代商品群から始まり、現在はその第2章を絶賛展開中だ。

 トヨタ自動車では、異なる2つの特性の調和を二律双生ととらえ、その表現を「J-factor」とし、また、レクサスブランドでは、先鋭・精妙の美を「L-finesse」と名付け、カーデザインをアートの領域に引き上げると言い切っている。

 ホンダは、現行フィットの登場に合わせ「EXCITING H DESIGN!!!」を掲げ、三菱自動車は最近になって「Robust(堅牢)&Ingenious(精巧)」を提示している。

 一方、日産自動車は造形要素として「フローティングルーフ」「キックアップウエストライン」「ブーメランランプシグネチャー」などを打ち出し、これらを各部分に落とし込むことで「日産デザイン」を標榜している。

 どれもキャッチーな言葉が用いられ、その定義に破綻はない。それどころか、えらく期待を抱かせる表現ばかりである。けれども、そうであるなら前々回の「派手な顔」を含め、なぜ最近の日本車デザインに疑問を感じるケースが増えたのだろう?

 ここで注目したいのが、新型ジムニーが絶好調のスズキなのである。各社が公式サイトや新車発表会などで「デザインフィロソフィ」を強調するなか、この会社はどこを見てもそんな言葉が見当たらない。ようやく見つけたのは「価値ある製品作り」という、なんとも地味なスローガンだ。

●僕らユーザーにとっての幸せ

 では、スズキの商品が地味かといえば、そんなことはない。最近では「この手があったか!」というハスラーが大ヒットし、キャリーバッグをモチーフにした新型スペーシアはライバルのダイハツ・タントを凌ぐヒット作となっている。

 また、社外デザインが噂されるアルトとイグニスは日本車とは思えないスタイルだし、スイフトも欧州車の香りを持った秀作コンパクトだ。そして増産に次ぐ増産のジムニーである。

 まあ、とにかくバラエティに富んだ商品群だ。顔も違えば全体のスタイルもまちまち。まるでオモチャ箱をひっくり返したかのようなラインナップなんである。

 いや、もちろんどの車種も決して思いつきでつくっているワケじゃない。それぞれの商品開発ではしっかりコンセプトを掲げ、ブレのない開発を行っているはずだ。その際には「スズキ車らしさ」もまた勘案されているだろう。

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