外食日本一だった小僧寿し、債務超過で経営危機…揺らぐ「持ち帰りすし」の存在意義

Business Journal / 2019年4月21日 8時0分

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 持ち帰りすしチェーンを展開する小僧寿しが経営危機に瀕している。

 2018年12月期決算で16億円の最終赤字を計上。10億5700万円の債務超過となった。これを受けて東京証券取引所は3月27日、小僧寿しが上場廃止の猶予期間に入ったと発表した。猶予期間は19年12月期末まで。4月11日に第三者割り当てで新株予約権を発行し、債務超過の解消を目指す。だが、たとえ今回の債務超過が解消されたとしても、収益性を高められなければ、再度債務超過に陥らないとも限らない。抜本的な経営改革が求められている。

 小僧寿しは、持ち帰りすしチェーンの「小僧寿し」「茶月」などの飲食店を18年12月末時点で全国に約250店を展開している。1987年には2300店を超える店舗を展開していたことを考えると、現在の小僧寿しの凋落のほどがよくわかる。収益性の低下も深刻で、最終赤字は18年12月期まで9年連続で続き、18年12月期の売上高は56億円で、10年前の4分の1の水準でしかない。

 小僧寿しの設立は1972年2月。加盟店27店でスタートした。翌年8月には早くも100店を突破。

 持ち帰り専門店というコンセプトと低価格が受けたほか、フランチャイズ方式を採用したことで店舗数はうなぎのぼりに増えていった。店舗数の増加により大量仕入れと大量販売が可能となり、さらなる低価格を実現。安さを武器に出店攻勢をかけ、2000店を超えるチェーンに成長した。2000店を超える前の79年には加盟店総売上高で外食産業日本一になったという。

●回転ずしチェーンとの競合

 だが、2000年代に入ってから回転ずしチェーンがロードサイドに積極的に出店するようになり、回転ずしチェーンに押されて成長に陰りが見え始めた。小僧寿しは主に住宅地に立地していたため、回転ずしチェーンとは商圏が重複する部分が多かった。また、両者はメインターゲットが家族連れであることも重複し、競争は激しさを増していった。

 回転ずしチェーンは価格の安さや、すしが回るというエンターテイメント性を武器に出店攻勢をかけ成長してきた。回転ずしチェーンの登場ですしを外食で食べるという習慣が定着したことは、持ち帰りが専門の小僧寿しには大きな痛手となった。

 一方で、回転ずしチェーンはテイクアウトも強化するようになり、小僧寿しと真っ向からぶつかるケースが増えていった。たとえば、回転ずしチェーン「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトはテイクアウトを強化した結果、08年2月期(9カ月決算)のテイクアウト比率は9.2%にまで高まり、テイクアウトで約46億円を売り上げている。このように回転ずし各社がテイクアウトを強化したため、小僧寿しは窮地に追いやられた。

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