外食日本一だった小僧寿し、債務超過で経営危機…揺らぐ「持ち帰りすし」の存在意義

Business Journal / 2019年4月21日 8時0分

 さらに、ファストフード店にも押された面があるだろう。面白いことに、小僧寿しの創業者、山木益次氏は自身の著書『寿し革命―小僧寿しの大進軍』(サンケイ新聞社)で「小僧寿しはすし屋ではなく、ファスト・フード・ショップ」と述べている。小僧寿しはマクドナルドのようなファストフード店であり、“手軽に食事したい時に利用する店”という位置付けなのだ。確かにそういった側面はあり、小僧寿しはファストフード店との競争にさらされやすく、その戦いに敗れたといえるだろう。

 ファストフードとの競争では、すしは不利な面が多い。すしはアレンジがしづらい商材のため、差別化が困難で飽きられやすいといえる。一方、たとえば、ハンバーガーやラーメンであれば、具などを変えることで差別化することができる。また、新商品を適時投入することができるため、簡単に飽きられることはないといえる。回転ずしチェーンが近年、ラーメンなどのサイドメニューを強化しているのは、飽きられやすいすしの弱点を補うことを目的としている側面があり、それが小僧寿しにはない強みにもなっている。

 こういった観点からか、小僧寿しは近年、非すし業態の開発に力を入れている。14年にラーメン店「麺や小僧」を出店したり、宅配ピザのシカゴピザと提携し、同社が展開する「シカゴピザ」と宅配どんぶりの「どんぶり名人」の商品を小僧寿しの店舗で販売したりしている。しかし、どちらも鳴かず飛ばずだ。また、昨年には小僧寿しの店舗にから揚げ店を併設することを始めている。これに関してはまだ始まったばかりでこれからとなるが、予断は許さない。

 すしをめぐる戦いは激しさを増している。そうしたなか、小僧寿しは第三者割り当てで新株予約券を発行し債務超過の解消を図るほか、小僧寿しとから揚げ店が併設した店舗やトンカツ、天丼、海鮮丼などを複合した店舗の開発・展開を進めて中食需要を取り込み、再浮上を図りたい考えだ。小僧寿しのこうした取り組みは、吉と出るか凶と出るか。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

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