セブン&アイ、またトップ電撃解任の悲喜劇…締め付けてきたFC加盟店の“反乱”

Business Journal / 2019年5月4日 8時0分

 世耕経産相がコンビニのトップを招集し、人手不足の問題や長時間労働について意見を述べ、各社に人手不足を是正する計画の策定を求めた“パフォーマンス”に関して、「法的根拠のない、任意の行政指導に当たらないのか」(小売業界関係者)といった冷ややかな見方もある。

●社長交代の引き金になった24時間営業問題

 24時間営業問題が社長交代劇の直接な引き金になったのは間違いないとみられている。19年2月、東大阪市のFC店オーナーが人手不足の窮状を訴え営業時間を短縮し、本部側が契約違反の状態だと指摘した。経営陣は24時間営業の見直しを認めない強硬姿勢で臨んだ。

 だが、オーナー側の強い反発や「働き方改革の流れに逆行する」といった世論の批判もあり、3月から直営店10店で時短営業の実証実験を始めた。しかし、FC店から「直営店10店のみでの実験は不公平」と指摘されると、FC店を実験の対象に加えると軌道修正した。

 こうした一連の対応は、古屋氏が主導した。古屋氏は営業部門が長く、24時間営業の堅持に思い入れが強かった。

「古屋氏も超ワンマンで、聞く耳をもたない。24時間営業に柔軟に対応する心の余裕はなかった」(前出セブン&アイHD元役員)。

 古屋氏解任劇の背景には、古屋氏が現場の生の情報を井阪氏などセブン&アイHDの経営トップに上げず、情報を握り潰したことに対する苛立ちがあったようだ。東大阪市のFC店オーナーが営業時間を短縮した際、本部側は契約違反だと高飛車に突っぱねた。井阪氏は報道直前に事態を把握したが、すでにオーナー側のメディアを使った情報発信で「強い本部に追い詰められる弱いオーナー」という構図が出来上がってしまった。

 現場を掌握できていない古屋氏と“古屋親衛隊”の能力不足が浮き彫りになった。井阪氏などセブン&アイHDの経営陣は一部を除き、古屋体制への危機感を強めていた。

「FC店の不満が高まっているにもかかわらず、古屋氏はマスコミの取材に『24時間営業だからコンビニは成長できた』と繰り返すのみで、オーナー側の不信の声が渦巻いていた」(同)

「鈴木氏の薫陶を受けていた古屋氏のほうが、井阪氏より社内の評価は高かった。だから、井阪氏にとって古屋氏は目の上のたんこぶだった。24時間営業問題への対応の拙さを理由に、首を切るちょうどいいタイミングと考えたのだろう。もともと古屋氏が残っていたのは、鈴木氏が辞めた時にFC店オーナーたちの不安を和らげるための緩衝剤の役割があったから。だが、古屋氏はオーナーたちの不満をうまく調整できなかった。もはやお役御免ということだ」(外資系証券会社の流通担当アナリスト)

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