ZOZO前澤社長肝いりのPB事業、売上目標2千億円に対し現実は17億円…現金流出超過

Business Journal / 2019年5月20日 8時0分

 ARIGATOサービスでの失敗を教訓に、今後は出店企業との「共創・共有・共感」を大切にしていくという。前出のMSP事業がその最たるものだろう。ほかに、出店企業の通販サイトを支援するサービスで一定の条件で手数料を無料化することなどを打ち出した。出店企業に配慮を示し、ゾゾ離れを食い止めたい考えだ。

●回復傾向も、まだ予断を許さない

 今期の業績予想は、商品取扱高が前期比13.6%増の3670億円、売上高は14.9%増の1360億円、営業利益が24.7%増の320億円とした。PBの評価損などが減るため、純利益は40.8%増の225億円を見込む。

 決算発表日と同日、前澤社長は中止していたツイッターの投稿を再開した。業績の下方修正を余儀なくされるなどで雲行きが怪しくなった2月上旬、前澤氏は本業に集中することを理由にツイッターの投稿を中止していた。再開後の投稿では今期の業績見通しについても触れている。「信頼を取り戻せるよう、また期待に応えられるよう、今期も集中して頑張る」と記し、目標達成への意気込みを示している。

 だが、予断を許さない。ゾゾの稼ぐ力は衰えている。19年3月期の営業活動で稼いだ資金の変動を示す「営業キャッシュフロー(CF)」は148億円と前期と比べて50億円少ない。投資に投じた資金の変動を示す「投資CF」は前期と比べて20億円少ない61億円と投資面での資金流出は抑えられているが、営業CFのマイナス幅のほうが大きく、営業CFから投資CFを差し引いた「フリーキャッシュフロー(純現金収支=FCF)」は前期より29億円少ない86億円にとどまっている。また、資金の調達や返済など財務活動における資金の変動を示す「財務CF」は、前期より28億円多い120億円だった。

 19年3月期は流入する資金よりも流出する資金のほうが多かったため、現預金は減少となった。19年2月末時点で215億円と1年前から30億円減っている。危機的水準にあった昨年末時点の82億円からは増えているが、今後また減らないとも限らない。予断を許さないだろう。

 ゾゾはPB事業を縮小し、新たに始めるMSP事業などで巻き返しを狙う。だが、新たに始める事業はどれも小粒の感が否めない。大きな収益の柱に育つかは疑問を覚えざるを得ない。視界不良はまだまだ続きそうだ。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

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