晴海・選手村跡地の一大マンション群は買ってはいけない?東京都内に住宅大量供給の兆候

Business Journal / 2019年6月3日 9時0分

 計画ではラッシュ時でも1時間6本。連節バスを使うとのことだが収容人員は130名程度にしかすぎない。通勤電車の車両1台分にも満たない輸送力だ。ましてや深夜や早朝などラッシュ時以外の利便性を考えると、交通利便性は正直あまり評価できない。

 湾岸エリアであるので眺望は良さそうだ。棟によってはレインボーブリッジが正面に見えそうだ。だが、埋立地で海に近いということは、塩害の影響と、大地震に際しての土地の液状化や津波も心配だ。

 開発街区内には小中学校が開設される予定だが、都内の私立の学校に通うにはいずれもバスで新橋経由となる。通学の便を考えても選択は限られてきそうだ。買い物はスーパーがオープンするようだが、日常品に限られる。飲食施設などはいったいどこにできるのだろうか、はっきりした見込みはない。

 開発街区内には清掃工場がすでに存在している。最近の清掃工場は煤煙も少ないのだろうが、ゴミトラックの出入りは交通安全上も衛生上も気になる点だ。水素ステーションがあるというが、車はどうやら電気自動車が主流になりそうななか、正直どうでもよい施設にも見える。

 あとはデベロッパー各社が企画する共用施設の充実に期待するしかない。まだ具体的な内容はほとんど明らかにされていないが、おそらくてんこ盛りの宣伝文句が並ぶことだろう。少なくとも街区内で生活するかぎり不便さを感じない設えやサービスとなるのではないか。晴海にどうしても「住みたい」と考える人や新橋やその近辺に通勤する人にとっては、おそらく設備仕様としては十分なマンションが建設されるはずだ。

 では、投資としてはどうだろうか。販売価格は坪あたり300万円前後になるとのことだ。現状の周辺マーケットは300万円台半ばから後半が相場といわれているから、相場の1割から2割程度安く分譲されることになる。

 ということはすごい「お買い得」物件になり、人気沸騰ということになるだろうか。昭和や平成バブルの頃であれば、不動産は常に右肩上がり。早く買った人が儲かる時代だったから、これは間違いなく「買い」だ。だが、今は晴海という街の成長可能性を見極めて買うことだ。東京といえど、エリアや街によって今後は不動産価格に異なり格差がついていく時代だからだ。

●「多死・大量相続」時代のインパクト

 なぜ街間格差が出始めるのか理由を述べよう。

 このマンションが引き渡しされる2023年から25年にかけて、東京の不動産マーケットは大きな変革が起こりそうなのである。ひとつが、「多死・大量相続」時代の到来だ。1947年から49年に生まれた世代を団塊世代という。この世代は人口が非常に多く、これまで日本の産業の担い手として貢献してきた。この世代のすべてが2025年までに75歳以上の後期高齢者になる。

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