LIXIL創業家・潮田氏、敵前逃亡連発の“道楽経営”で6万人企業は経営できない

Business Journal / 2019年6月12日 6時0分

 現状での候補者数が同数なので、瀬戸氏側が恐れているのは、会社側が(つまり指名委員会が)さらに候補者を追加することだ。ただし、私はそのような事態にはならないのではないかと見ている。そんなことになると株主総会での取締役選出手続きが紛糾してしまい、今回の成り行きがLIXILほどの大企業のガバナンス不在として、ますますクローズアップされてしまうからだ。

●逃亡と言われるか、潮田氏の唐突辞任

 瀬戸氏は「元」CEOである。同氏を実質解任したといわれる潮田氏が瀬戸氏の後任としてCEOに就任したのは、昨年11月のことだった。ところがその潮田氏は4月18日に至り、突然CEOを辞任することを発表した。

 背景には、昨秋の瀬戸氏解任をめぐるプロセスを問題視した欧米機関投資家などの大株主が3月20日、潮田CEO、山梨COOの取締役解任を議案とする臨時株主総会の招集を請求したことがある。潮田氏はその臨時株主総会が実現する前に自らCEOを退任し、取締役も6月の通常株主総会で重任しないと言明して、解任劇に幕を引いてしまったのだ。

 私は、潮田氏のこの出処進退を単に「潔いもの」だと見ていない。自らの経営責任にしっかり対峙しないで、公の席(株主総会)でのパブリックな討議に参加しようとしない、さらされようとしない、つまり経営者として後ろ向きな姿勢だと見ている。

 創業者の息子として、社内では独裁者的に振る舞ってきたのだろうか。誰からも指弾・意見されるようなこともなかったのだろう。それが欧米の機関投資家などが仕掛けてくるであろう直截な議論や難詰に直面する可能性が見えると、すぐさま辞任してしまうという経緯となった。

 私は、このような潮田氏の「経営者としての覚悟と責任」に大きな疑問を持つ。そして現在展開している次期CEO争奪戦は、すべて「潮田氏問題」に端を発していた、ということになる。

 経営者としての潮田氏の問題点を、大きく3つ指摘しておく。

●シンガポール居留で大企業の経営ができるのか

 潮田氏がシンガポールに移住したのは2015年と報じられている。その前年にLIXILの前身であるトステム社を創業した父、健次郎氏が死去している。健次郎氏の死亡に伴い、洋一郎氏の姉が相続税の申告漏れを指摘され、60億円強を追徴された。

 洋一郎氏が日本の税制に疑問を感じたことは自らも明言してきたことである。シンガポールは住民税がなく、所得税の最高税率は22%でしかない。日本人の富裕層が多く移住していることで知られる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング