航空機の乱気流の揺れ、実はパイロットのミス…ベルト着用サインをナメると命の危険

Business Journal / 2019年6月17日 9時0分

 JALは世界でもっとも早くこの運用を始めた会社であるようだが、その理由として安全推進本部という専門組織があり、パイロットとCAの労働組合が安全について意見を出していたという事情もあると考えられる。

 しかし、残念ながら世界の多くの航空会社では、依然として先に述べた悪しき習慣を続けているのが実情である。2日に起きた2件とも、CAだけが重軽傷を負っていることを見てもわかるように、この悪しき習慣を止めるのは難しい。例としてアリタリア航空の日本便では離陸から着陸まで巡行中も含めずっとベルトサインを点灯したまま、CAたちはその都度機長の許可をもらってからサービスを行っているという実態がある。揺れもないのにベルトサインを点灯させたままというのは、パイロットが日本で事故を起こせば状況によっては罪に問われるから、責任逃れに行っているのではないかとも想像する。

 今や世界の多くの国では、ヒューマンエラーによる事故でも再発防止のために乗員に本当のことを証言させ、そのかわりに故意によるもの以外は罪に問わない無罰主義に変わっている。しかし、日本ではその点でまだ遅れている実態がある。ベルトサイン点灯中のサービスは、限られた時間のなかでなんとか食事を出したいとするCAの熱心さゆえに起きるものであるが、この際、世界的基準をつくりCAたちの安全も確保すべきであろう。

●巡航中も常時ベルトを締めることで身を守ろう

 乱気流による事故等で乗客がいつも「突然航空機が激しく上下に揺れた」と証言するが、これはCbにいきなり突入したことが原因といってもよいだろう。たとえばジェット気流に出入りするときやCb以外の雲に入りかけると、必ず“カタカタ”という揺れが始まる。それはその後に起こるかもしれない大きな揺れの前兆の場合もある。この場合、パイロットは念のためにベルトサインを点灯させるから事故には至らない。

 ただし、乗客はすぐにベルトを着用できるものの、CAはカートをもとに戻しロックして、各々のジャンプシートに座ってベルトを着用する時間が必要だ。そのため私の現役時代では大きな揺れを予想する約3分前にはベルトサインの点灯を心がけるように教育し、指導も行われてきた。

 しかし、実際には雲に入るまでの目測を誤り、1分少々手前でベルトサインを点灯させることも少なくない。CAからしてみれば自ら前方は見えないので早めにベルトサインを点灯してもらいたいところではあるが、経験の浅いパイロットには難しいオペレーションなのである。

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