平安女学院大学、倒産寸前から再生で就職率100%達成 “大学のゴーン”が狙う次の一手

Business Journal / 2014年7月8日 1時0分

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 弱肉強食といった「強欲資本主義」の流れが私立大学の経営にまで及んできている。学生数が多い、規模の大きな大学が、巨額の入学検定料や学費収入を使って展開する過大な宣伝広告によってさらに学生をかき集め、それがさらなる入学検定料や学費の増大につながるといった好循環を生み出す。定員充足率が高く、資金が豊富にある大学ほど文部科学省の補助金が手厚く行きわたる制度に変更されており、なんのための補助金かという意義も問われそうだ。

 その一方で、規模の小さな大学はまったく逆のパターンである、学生数の減少→収入減→宣伝できないことによる認知度低下→学生数減少(定員割れ)→補助金削減といった悪循環に陥っている。

 少子化による学生数の減少というマクロ的な問題を抱えている中で、学生の奪い合いが起こり、資金力のある大学が施設の改良や宣伝面も含めたさまざまな戦略に取り組み、少ないパイを奪っていく流れは仕方ない面もある。さらにいえば、経営努力の足りない私学が淘汰されていくのも時代の流れであろう。

 しかし、あまりにも今の流れは、都会にあるマンモス大学の「強者」だけしか生き残れない流れが加速しすぎている。経営努力をして特色ある教育も実施していながら、規模が小さく地方にあるというだけで、その存続が危ぶまれかねない私学が出始めているのだ。果たしてそれでよいのか。大学は、教育と経営の両方がわかる専門性の高い人材が運営していく「社会的共通資本」であり、決して市場の論理だけで淘汰されてよいものではないはずだ。優れた「松下村塾」的大学を潰してはならないのではないか。

 こうした流れに対して問題提起するのが、京都市内に本拠を構える学校法人・平安女学院大学の山岡景一郎理事長兼学長だ。山岡氏は2003年に理事長に就任。経営破たん寸前だった同大学を、大胆なリストラと、教育を受ける立場から見てのカリキュラム改革や学部再編などを通じて見事再生させ、就職率の高い大学として評価を得てきた手腕がある。「私学業界のカルロス・ゴーン」と呼ぶ人さえおり、山岡氏から大学再生のノウハウを得ようとする私学経営者も増えている。公益財団法人・私学経営研究会が14年4月に発行した「私学経営」という雑誌には「常識破りから始める私学の賃金問題~平安女学院大学における人事政策~」と題する山岡氏の講演要旨が掲載、改革の詳細なプロセスが紹介されているが、まるで企業再生そのものを見ているようで興味深い。

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