AEDによる心肺蘇生はできて当然?約2割の医師は「自信がない」「できない」

Business Journal / 2014年7月9日 19時0分

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 駅やホテル、公園、学校など、さまざまな場所でよく目にするようになったAED(自動体外式除細動器)。コンピューターによって心臓のリズムを調べて、必要に応じて電気ショック(除細動)を与えることで、心臓の働きを戻すための医療機器だ。かつては、医師だけにしか使用が認められていなかったが、2003年からは救急救命士に、2004年7月からは一般市民にも、その使用が認められるようになり、これまで助からなかった多くの命が救えるようになった。

 厚生労働科学研究(「AEDの普及状況に係る研究」研究分担者:丸川征四郎)によると、平成24年12月現在、日本国内でのAED販売累計台数は44万7818台。その内訳は、医療機関が8万3417台、消防機関が1万2314台で、公共施設など一般市民が使用できるAEDは35万2087台にもなるとのこと。日本救急医療財団はネット上に、日本全国のどこにAEDが設置されているのかを検索できるサービスも提供している(http://www.qqzaidan.jp/AED/aed.htm)。さらに、最近は大手ネットショップでも販売されており、公共施設だけでなくAEDを常備する一般家庭も増えているようだ。

 ここまで普及が進むと「誰かが心肺停止状態になったら、その近くにいる人がAEDを使うのが当然」という社会的コンセンサスが浸透してくる。事実、今年6月には、大阪の市立大学のサッカー部員が練習中に倒れ、その後死亡したのは、AEDによる蘇生処置が行われなかったためだとして、部員の両親が大学側を相手取り、約7800万円の賠償を求める裁判が起こされている。「自分は関係ない」「AEDは使えない」では済まされない社会が来ているのだ。

 しかし、ここに驚くべきアンケート結果がある。AED導入10年という節目に組織された「減らせ突然死プロジェクト実行委員会」が医師を対象に行った調査(2107人が回答)によると、病院外で心停止を10秒以内に判断「できる」と回答した医師は全体の61.3%だったのに対して、「自信がない」と回答した医師は36.1%。さらに、実際にAEDを利用する局面に出くわしたら、約2割の医師が「自信がない」「できない」と回答したというのだ。救命救急の基本中の基本でありながら、そのプロフェッショナルである医師でも、実態はこうなのだ。

●頭の片隅に置いておきたい「AED」の使い方

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