NISAで金融機関のカモになる人々、なぜ多い?最低限抑えるべき3つの投資教育とは

Business Journal / 2014年7月18日 1時0分

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 今年から始まった通称「NISA」こと少額投資非課税制度の利用枠の拡充について、有力閣僚が相次いで言及している。
 
 現在のNISAは、年間一人当たり100万円までの投資の収益に関する課税を5年間免除する投資優遇税制だ。これに対して、甘利明経済再生担当が「年間200万でもいい」と述べ、さらに麻生太郎財務相は「次考えるなら、年240万円が現場に合っている」と述べた。両名共に経済通を自任する閣僚だが、首相経験者の麻生氏が、自分のほうが大物だとの意識から、甘利氏の200万円を超える240万円に言及したのかもしれない(単なる推測だが)。おふたりとも、経済政策として株価をより高く誘導したいのだろうし、NISAをビジネスの種にしている金融業界にメリットを与えて胸を張りたい立場でもあろう。

 導入後間もない時期であるが、NISAの拡充方向での制度改定自体はいいことだ。利用枠の拡大以外に、何はともあれ、当面10年の時限措置になっているNISAを恒久化してほしいところだが、利用枠の拡大も株式等のリスクを取る投資家にとってフェアな改善だと思われる。

 もっとも、麻生氏の240万円の根拠は、毎月20万円ずつ積み立てると年間で240万円だから、ということらしい。積立投資をするような人は毎月20万円も積み立てられるケースが少ないし、資金に余裕のある人はわざわざ積立にして投資することが非合理的なので、これは残念ながら「現場に合って」はいない。恐らく、官僚か側近の「NISAは若い人が積立投資で利用する例もあります」といった説明を、NISAの主なる使われ方だと勘違いしたのだろう。

 現在の日本では、投資をできるようなまとまったお金を持っている人の大半が高齢者であり、NISAの利用もその例外ではない。そして、彼らの多くは、NISAを税制優遇期間が短縮されるような積立投資で利用する理由を持たない。

 その代わりに、NISAで利用されている売れ筋金融商品を見ると、毎月分配型の投資信託のような、NISAには不向きな仕組みで(元本が成長しにくいから)、かつ、残念ながら例外なく手数料が高すぎる商品に、彼らの資金の多くが取り込まれているのが現状だ。

 例えば、NISAには積立投資が向かないとか、毎月分配型の投資信託はNISAにもそれ以外にも投資対象として合理的ではないといった話は、利回り計算程度の知識を投資に応用できればわかるはずの、本来は簡単な常識である。だが、財務相が誤解し、多くの投資家が金融機関のマーケティングの餌食になっているのが、残念ながら日本のマネーリテラシーの現状だ。

●利用者の立場に立った投資教育の必要性

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