実は死亡者多発 !? エコノミークラス症候群はなぜ起こる?空旅だけでない、夏のロングドライブにも用心を

Business Journal / 2014年8月13日 19時0分

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 新潟県中越地震では、被災地で車中泊をしていた人が多く発症したことが報告され、有名になった「エコノミークラス症候群」。1977年、ある学者が「肺動脈血栓塞栓症」が、航空機のエコノミークラスに搭乗した乗客に多く発生することに注目。狭い座席で足を動かせないことが原因で脈血栓塞栓症を生じるため、いわゆる「エコノミークラス症候群」と名付けられた。

 肺動脈血栓塞栓症とは、静脈にできた血の塊(血栓)が血流に乗って肺に達し、肺の入り口である肺動脈に詰まってしまう病気だ。突然の呼吸困難、胸痛で発症することが多く、死に至ることも珍しくない。

 しかし、エコノミークラス以外の航空機利用者や、バス、電車、船などの交通機関を利用した旅行者からも肺動脈血栓症は数多く報告されている。長時間、同じ姿勢のまま過ごすと、足の血流が悪くなり、血栓が作られて発症しやすいからだ。実は長時間のドライブやオフィスワークでも同じことが起こりうる。渋滞などで長時間化しやすい夏のドライブ旅行などでは、特に注意が必要だ。

 一方、最近では、「エコノミークラス症候群」という名称がエコノミークラスだけで起こるものだという誤解を招く恐れがあるため、医療界では「旅行者血栓症」と呼ぶようにして、注意を喚起している。

●突然死の原因になることも

 血液が一定の速さと方向性で、規則正しく流れているところには、血栓や動脈硬化は生じにくい。しかし、血液の流れが乱れたり滞ったりすると、血管壁や血小板の機能に異常が生じ、血栓ができやすくなる。特に血栓が生じやすいのは足の深部静脈だ。足の静脈は、筋肉が動くことで血管が収縮され、この勢いで血液が心臓に戻る仕組みになっているが、足を動かさない状態が続くと血流が悪くなる。

 座っている状態を考えてみよう。心臓は足の先から約1メートル高い位置にある。足の筋肉が動くことで静脈内の血液を上らせて心臓に返すところ、座った状態が続けば血流は悪化する。この時、血栓ができ始め、足は赤く腫れ上がる。

 法医解剖を通して死因を究明している、滋賀医科大学の一杉正仁教授は次のように解説する。

「長時間のドライブ後、この病気で突然死された方の解剖をしたことがあります。実は肺動脈血栓塞栓症による死亡者数は、もっと多いと考えられます。例えば、胸を押さえて突然亡くなられた方がいても、事件性がない場合の多くは解剖検査が行われません。心臓病が死因だと判断されても、本当にそうかどうかはわからないのです。肺動脈血栓塞栓症が正しく診断されていないケースはたくさんあるはず」

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